第99回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

業務改善

業務改善

Fri. Jun 21, 2024 9:50 AM - 10:40 AM 第2会場 (アネックスホール F203)

座長:瀬戸口 秀一(九州大学病院別府病院)

10:00 AM - 10:10 AM

[6] 位置電流検知システムを活用した業務量調査(パート2)

瀬戸 初江, 金澤 悦子 (東北医科薬科大学病院 看護部)

【目的】
機器の位置情報と滞在時間を把握する位置電流検知システム(システム)を活用した業務量調査をおこない効果を検討した.
【方法】
平日4日間の日勤帯で病棟看護職員39名におこなった.データは位置情報と滞在時間を自動収集した.調査項目はスタッフステーション・トイレ・食堂ラウンジなどの位置情報より得られる10項目とした.申送りや記録・情報収集の項目は参加観察法を用いて外部者がワークサンプリング法(WS)にてデータ収集した.業務量調査の効果には質問紙調査を用いた.臨床研究倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号2023-2-034).
【結果】
システムを活用した業務量調査結果では,看護師が「スタッフステーション」31.32%,「病棟外業務」24.43%,「トイレ」0.04%,「食堂ラウンジ」0.28%,看護補助者では「病棟外業務」 36.93%,「トイレ」0.31%,「食堂ラウンジ」0.55%であった.WSでは「申送り」14.94%,「情報収集」12.65%,「記録」5.91%で合計33.50%であった.質問紙調査結果では「システム活用による業務量調査の実施」は「良い」92%,自由記載では「記載しなくて良い」,WSは「視線を感じた」が,負担感では「書くよりも負担がないので良い」の肯定的記載がみられた(回収数30名,回収率 77%).
【考察】
位置情報と調査項目が同じようなものはそのまま業務量として容易にデータ収集できることがわかった.「トイレ」「食堂ラウンジ」「病棟外業務」では看護補助者の方が看護師より高い値を示しており,排泄や食事介助業務を看護補助者へタスクシフト/シェアしている様相が明らかになった.一方,WSによる「記録・申送り・情報収集」の3項目では合計が3割でシステムと同じような値を示しており,WSでより詳細な業務内容が俯瞰できると考えられた.自由記載では外部者に「視線を感じた」が,負担感ではシステム活用のメリットが明らかになり,負担感がほとんどみられないことが示された.