第99回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

洗浄

洗浄3

Sat. Jun 22, 2024 2:00 PM - 3:20 PM 第1会場 (アネックスホール F201+F202)

座長:長瀬 清(岐阜大学)

2:00 PM - 2:10 PM

[75] 画像支援による洗浄業務の標準化に向けた取り組み

大村 久美, 石本 洋子, 小久保 安朗 (福井大学医学部附属病院 滅菌管理部)

【はじめに】
医療現場における滅菌保証のための施設評価ツールでは,洗浄物ごとの洗浄工程を定め,作業者に分かり易いようにマニュアルや掲示物などで周知することを求めている.しかし, RMDの分解や洗浄方法は多岐にわたり,膨大なマニュアルを必要時に確認することは難しく,構造や洗浄方法に関する紙ベースの資料を作成して掲示しても乱雑になる.使用頻度が少ないRMDは,正しい洗浄方法を周知してもスタッフ間の伝承により少しずつ変化し,洗浄のばらつきが生じる原因となる.これらの問題を解決するために,既存の総合滅菌管理システムに画像支援機能を追加して,洗浄室でRMDごとの分解・洗浄方法の情報が得られるようにした.
【目的】
洗浄室内のペーパーレス化と洗浄業務の標準化
【方法】
1. 対象1) 分解や予備洗浄の必要な RMDを含む内視鏡セットや動力器械,2)分解の必要なRMDや使用頻度の低い病棟/外来からの依頼品
2.方法1)RMDの分解や予備洗浄方法などに取り扱いのポイントを加えたPDFを作成し,マスタデータへ登録する,2)ハンディ端末で表示パネルとRMDのバーコードを読込ませることでPDFや動画を展開させる,3)病棟/外来からの依頼品には,新たに項目を設けて,1)2)と同様におこなう
【結果】
1.洗浄室の壁に掲示してあった資料は,ダヴィンチのエンドリストを除きペーパーレス化できた2.手術器械のPDFは合計68セット,動画は泌尿器科のTURisセットなど3点作成した3.病棟/外来からの依頼品では,新たな項目が14個,PDFは43点であった
【まとめ】
医療技術の進歩により繊細で複雑な構造の RMDが増えている現状において,既存のシステムの機能を強化し,簡便な操作で視認性の高い画像支援を得られることは,業務の標準化と技能のアップデートに有用となる.