第99回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療安全対策

医療安全対策1

Sat. Jun 22, 2024 9:00 AM - 9:50 AM 第2会場 (アネックスホール F203)

座長:内田 荘平(福岡看護大学)

9:00 AM - 9:10 AM

[83] 「安全のための日めくり」の作成とその効果について

野口 悟司, 中野 直扇, 万代 泰子, 片野坂 直美, 高津 いずみ, 小林 早苗, 高橋 信之 (㈱日経サービス メディカルサポート部)

【目的】
弊社は,病院業務をアウトソーシングで受託している.現在のスタッフ数は約900名である.業務内容は洗浄滅菌や外来受付,環境整備などさまざまで,各業務の技術や知識の向上とともに「安全」への取り組みが課題になる.弊社では2021年からインシデントレポートの提出を促している.2021・2022年度の報告数の合計は 294件であり,「発生時の自身の状況」に対する回答では,気づかなかった,思い込んでいた,作業に追われていたなど,90%以上が人の特性と安全意識に起因するものであった.そこで,我々は安全教育研修を実施するだけではなく,スタッフに対し日常的に「安全」について考える習慣が必要と考え「安全のための日めくり」を作成し配布した.今回,その日めくりの紹介と半年後におこなったアンケートの結果を報告する.
【方法】
インシデント報告の内容を吟味し弊社オリジナルの日めくりを作成,希望があった19事業所に配布した.活用するに当たり下記のことを依頼した.
・作業場で比較的多くのスタッフが往来し,目立つ処に掲示する
・一番早く出勤した人が日めくりをめくる
・全員,一日一回は必ず目を通す.覚えなくてもよい
・皆で協力し,一年は継続する
配布から6ヶ月後に,各事業所の中から業務経験などを加味して95名のスタッフにアンケートを実施,結果の集計をおこなった.
【結果】
アンケートの回収率は75%だった.大きさやレイアウトについては80%以上の「良い」「まあまあ良い」の評価で,91%のスタッフに伝えたいメッセージが「届いた」「まあまあ届いた」という結果を得た.
【考察】
今回,我々は病院で請負業務をするスタッフに対し,安全意識をもって作業をおこなってもらうため,安全教育研修に加え「安全」の潜在意識の定着を目的とした「安全のための日めくり」を作成した.しかし,これらのことは時が経つにつれ形骸化することを前提に,実用的な内容に更新することが重要と考えた.