第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

医療機器管理

医療機器管理1

2024年6月22日(土) 14:00 〜 15:10 第2会場 (アネックスホール F203)

座長:髙橋 典彦(岩見沢市立総合病院)

14:40 〜 14:50

[92] 輸液ポンプの運用費用におけるリース調達と購入調達の比較検討

松月 正樹, 辻 亜弓, 行光 彩加, 加藤 隆史, 山田 昌子 (三重大学医学部附属病院 臨床工学部)

【背景】
リース調達した輸液ポンプは,購入調達と比較して初期費用を低く抑えることができるが合計の運用費用が高いとされる.リースの運用費用を評価する場合,比較する購入もリース契約期間と同じ運用期間で試算されることが多い.しかし,実際の購入では耐用期間を超過した運用が多いため比較の正確性が失われる.
【目的】
リースと購入における運用費用を購入の運用期間別で比較し,リースの運用費用評価時の運用期間による影響度を検討する.
【方法】
6年契約の保守点検付きリースの運用費用と運用期間を6,9,12,15,18年とした時の始め6年間における購入の運用費用を比較した.リースは,2018 ~ 2023年度に当院で経験した運用費用とした.また,比較する購入は,リースと同年度に当院で購入した場合に想定される運用費用を基準値とした.購入に対するリースの運用費用の割合算出では,リースの運用費用:リース費+(修理費-保険支払費)を各運用期間始め6年間における購入の運用費用:購入費+定期保守時の技術費+修理費で除算した.購入において,修理費は全て業者実施とし,固定資産税と廃棄費は算出除外した.
【結果】
購入に対するリースの運用費用の割合は,6年:129%,9年:190%,12年:261%,15年: 315%,18年:360%であった.
【考察】
運用費用の割合において運用期間6年を基準とすると,リースが購入の「運用期間/ 6」倍の傾向を示し増加した.これは,リースの修理費は動産総合保険で大半支払うため低減できたが,購入の運用期間を延長した場合の購入費のほうが大幅に低減されたためである.このため,運用費用の割合の傾向は,購入の運用期間の延長に影響度が高いと考える.
【結語】
リースの運用費用において購入と比較した評価では,購入の運用期間に依存した.