第99回日本医療機器学会大会

講演情報

パネルディスカッション

パネルディスカッション4 標準化Indicatorの現状と問題点―薬機法改正、トレーサビリティ用バーコードはなぜ義務化された―

2024年6月22日(土) 10:00 〜 11:30 第2会場 (アネックスホール F203)

座長:田中 聖人(京都第二赤十字病院),美代 賢吾(国立研究開発法人国立国際医療研究センター)

10:17 〜 10:34

[パネルディスカッション4] 標準化の重要性とトレーサビリティ

―展望と課題

植村 康一 (GS1 Japan ソリューション第1部)

医療安全の向上をはかるうえで,患者に使用した製品のトレーサビリティの確保は最も重要な事項の一つである.医療機器に関してはUDI(Unique Device Identification)という考え方のもと,世界の多くの国が協調し,国際的に標準化された識別子やバーコードを利用したトレーサビリティの強化が進められている.そのようななか本邦においても2019年に薬機法が改正され,トレーサビリティ向上を目的に国際標準であるGS1バーコード表示が義務となった.
グローバルに流通がおこなわれる医療機器の安全性確保において,国際的に通用する標準の利用は避けて通れない.しかし,メーカがそのような標準コードやバーコードを使用しても,最終的にそれを利用する医療機関が,それらを正確に記録し,様々な医療システムと連携して使用するという行為に結びつかなければ効率的なトレーサビリティの確立はかなえられず,医療安全も向上しない.世界のトレーサビリティに関する動向を述べるとともに,本邦で進められている医療DXにおける標準化について議論したい.