第42回日本磁気共鳴医学会大会

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教育講演

骨関節

教育講演1

骨関節1

Thu. Sep 18, 2014 8:30 AM - 9:30 AM 第1会場 (5F 古今の間北・中)

座長:橘川薫(聖マリアンナ医科大学 放射線医学講座)

[EL1-2] 原発性骨軟部腫瘍の術前・術後評価

常陸真 (東北大学 放射線診断科)

骨軟部腫瘍の診断は難しく、質的診断が困難な場合が多いが、腫瘍の鑑別診断と同様に重要な事は、腫瘍の広がり診断である。これは治療方針を決定し、術式を選択する上で重要である。切除辺縁の設定方法が、良悪性で異なり、良性腫瘍は辺縁切除で十分であるが、悪性腫瘍においては2cm以上の広範囲切除が必要な場合がある。そのため、広がり診断が切除範囲の決定に影響し、予後に関わる事がしばしばあることを念頭に置く必要がある。良性腫瘍は境界が明瞭であることが多く、広がりの診断は比較的容易であるが、悪性腫瘍のように見える良性病変もある。また、悪性腫瘍の中には反応層とよばれる腫瘤の外側まで腫瘍細胞が浸潤する領域を持つものも存在する。そのような病変の広がりを画像で判断するには造影MRIが必要であり、脂肪抑制T2WIやSTIRも重要な判断材料となる。ここでは実際の症例を提示し、切除縁の設定に必要な画像所見の読み方や、実際にあった切除辺縁が不十分であった悪性腫瘍の追加広範切除例を提示し、適切な読影、治療法の選択の重要性を解説する。また、術後変化にも注意する必要がある。再発の有無も重要であるが、断端部神経腫や機械的刺激による滑液包炎、膿瘍形成や筋肉壊死など、術創部には様々な変化が生じるので注意が必要であり、併せて解説する。