第42回日本磁気共鳴医学会大会

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教育講演

腹部

教育講演14

腹部2

Sat. Sep 20, 2014 8:30 AM - 9:30 AM 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:近藤浩史(岐阜大学医学部附属病院 放射線科)

[EL14-1] 膵腫瘤のMR診断

松木充 (近畿大学医学部 放射線診断学教室)

膵充実性腫瘤は、浸潤性膵管癌(invasive ductal carcinoma)が代表的であるが、そのなかに腺扁平上皮癌、粘液癌、退形成癌など特殊な組織型が含まれる。また神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor)、腺房細胞癌(acinar cell carcinoma)があり、それらの画像の特徴を述べ、さらに腫瘍と鑑別を要する腫瘤形成性膵炎、IgG4関連疾患との診断ポイントについて述べたい。さらに膵嚢胞性腫瘤に対する画像診断の1st. stepは、それが腫瘍性か非腫瘍性かの鑑別にある。非腫瘍性には、真性嚢胞、貯留嚢胞、リンパ上皮性嚢胞、類上皮性嚢胞などがあり、背景膵や造影効果などで鑑別するが困難な場合もしばしばある。そのなかで類上皮性嚢胞は、拡散強調像、SPIO-MRIが診断に有用な場合がある。 続いて2nd. Stepは、腫瘍性と診断した場合、嚢胞性に発育する腫瘍か中心壊死を伴った充実性腫瘍かの鑑別にある。中心壊死を伴った充実性腫瘍の代表例としてsolid pseudopapillary neoplasm (SPN)、神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor)があり、これらは実質成分の形態、造影パターン、内部性状をUS, CT, MRIで評価することにより診断可能である。最後に3rd.stepとして嚢胞性に発育する腫瘍に対する鑑別診断となる。嚢胞性に発育する代表的な腫瘍には粘液性嚢胞腺腫(mucinous cystic neoplasm)、漿液性嚢胞腫瘍(serous cystic neoplasm)、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)があり、形態、石灰化、造影パターン、信号強度などで鑑別する。今回はこのステップに沿って膵嚢胞性腫瘤の画像診断のポイントも述べたい。