第42回日本磁気共鳴医学会大会

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教育講演

泌尿生殖器

教育講演9

泌尿生殖器

Fri. Sep 19, 2014 8:30 AM - 9:30 AM 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:渡邊祐司(九州大学大学院医学研究院 臨床放射線科学分野 分子イメージング診断学講座)

[EL9-1] 泌尿生殖器:明日からの読影に役立つ奇形の知識

赤坂好宣 (兵庫県立こども病院 放射線科)

泌尿生殖器の奇形は比較的頻度が高く、あらゆる年齢でも読影の際に偶然に目にすることもしばしばである。比較的頻度の高いものについては発生原因や機能予後も含めて知識を整理して知っておくことが望まれる。泌尿生殖器の奇形については疾患の範囲が広いので、頻度が高いものや臨床上重要なものを主に取り上げ、系統的に理解しやすいよう、1.腎の形成段階の異常のパターン、2.異常部位からみた尿路拡大のパターン、3.小児期に問題となる生殖器・その他の奇形に分けて解説する。腎の形成段階の異常では、無発生、低形成・異形成、高さの異常や交叉性変位などについて概念を解説する。尿路拡大のパターンでは、画像診断の考え方の基本は、1.異常より上位の尿路が拡大する、2.異常の直前がもっとも拡大が強い傾向がある、3.より上位に腎機能低下や破裂による尿瘤形成など影響がでることがある、などである。また、異常なく形成された尿路に後天的に拡大が生じてきたのか、先天奇形に伴う尿路拡大ありきで腎が発育したのかを見極めることが大事である。尿路拡大をきたす疾患も成人で偶然に発見されたときには経年変化で小児期とは像がずいぶん異なっているかもしれない。生殖器の奇形については外性器の奇形が画像診断の対象になることは少ない。内性器の奇形が小児期に見つかることも少なく、むしろ思春期や成人で画像診断の対象になることが多い。ここでは主に小児期にみつかるものを取り上げる。発生についても理解しやすいような概要を述べるにとどめるが、疾患の発生原因については不明な点も多いので多くは推測の範囲である。