[O-1-004] 小児単心室症患者に対するtagging撮像方法と解析の検討
[背景と目的]単心室症は胎生期の心臓発生過程における形成異常で右室または左室が非常に小さいか無いために正常に機能する心室が一つしかない病態ある。当院では小児単心室症患者に対して遅延造影及びtaggingで術前・経過観察評価を行っている。小児単心室症を評価するtaggingの撮像方法及び解析法について検討した。 [使用機器]philips社製1.5TMRI装置Achieva,ziosoft社製ワークステーションziostasion2, MRI対応多項目モニターGE社製Datex Ohmeda [対象患者] 単心室症患者(左心低形成・右新低形成)0歳~4歳男女児15名 [方法]a.撮像方法 1) 装置選択)近年tagging解析のための撮像では3TMRI装置の使用が推奨される報告もあるが、遅延造影検査も併せて行うため、1.5TMRI装置を使用した。 2)撮像プロトコール)断面は単軸像FOV200mm スライス枚数6スライス厚10mmとして、A)grid spacing6.23 TFE factor10 Maxheartphase12 scan time50秒、B)grid spacing4 TFEfactor6 Maxheartphase20 scan time1分30秒の2種類を撮像した。なお、患者に対し鎮静を行い、見守り専門の医師と看護師が配置されMRI対応多項目モニターで患者の安全を確認しながら、検査を実施した。 b.解析方法2)A)、B)で取得した画像を補完ソフトウェアphyziodynamicsで処理したものをA)1、B)1とし、していないものをB)2、B)2としてMRストレイン解析を行い、解析結果の検討を行った。[結果] MRストレイン解析をかけたところ、A)2の解析の結果が最適であると判断して採用した。[考察]A)1ではHeart Phase数が実際は6~8となったため、MRストレイン解析ができなかった。MRストレイン解析ではHeart Phase数が最低10以上なければ解析不能であった。B)1B)2ではHeart Phase数は10以上であったものの、gridが小さく、画像のSN比も低かったため、解析不能のものや解析不良となったものと考えられる。Phyziodynamics処理を行うことで、ノイズ補正され、gridの大きさを確保したまま画像のSN比が改善し、Heart Phase数も大きくなるため、MRストレイン解析の精度が向上したものと考えられる。