第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

拡散-疾患

拡散-疾患

2014年9月18日(木) 11:10 〜 12:10 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:松村明(筑波大学大学院人間総合科学研究科 脳神経外科学)

[O-1-012] ギリアデル留置部周辺組織の拡散能、血液量の推移:ヒストグラム解析による検討

田岡俊昭1, Suthiphosuwan Suradech1,2, 宮坂俊輝1, 太地良祐1, 堀沙恵香1, 吉川公彦1 (1.奈良県立医科大学 放射線科, 2.チェンマイ大学 放射線科)

目的: ギリアデル留置症例での周辺組織の性状を評価する目的で、拡散強調像、脳血液量画像、造影MRI を施行し、ヒストグラム解析により、非留置症例との比較を行った。対象・方法: 8ヶ月の観察期間中に再発の見られなかった悪性神経膠腫症例11例(4例はギリアデル留置、7例は非留置)で合計28回の撮像を行った。撮像時期から1) 術後1日以内、 2) 術後2-35日、 3) 術後36-70日、 4) 術後71-105日の4群に分けた。ADC画像、rCBV画像、造影T1強調像で、摘出腔に沿った1cm幅のROIでの測定値をヒストグラム化した。各撮像時期に関して、留置群と非留置群のヒストグラムのパラメータについて有意差を検討した。結果: rCBV画像では術後1日以内で留置群のヒストグラムの尖度と歪度が有意に高値を示し、術度2-35日では留置群の尖度と歪度が有意に低置を示した。術後36-70日では留置群の中央値が有意な低値を示した。ADC画像では術後2-35日で、留置群のヒストグラムの最小値が有意な高値を示し、標準偏差が高値を示した。術後36-70日では、留置群の最小値が有意な高値を示した。また、術後71-105日では留置群の標準偏差が高値を示した。造影T1強調像では、期間を通じて、ヒストグラムに有意差は見られなかった。結論:悪性神経膠腫の再発が見られない例でも、ギリアデル留置により拡散能および脳血液量の変化が見られた。ギリアデル留置例での読影でこれらの変化に留意すべきと思われた。