[O-1-020] 脳動脈瘤に対する stent-assisted coil embolization 後の非造影 MRA 撮像パラメータの検討
【目的】サイズの大きな脳動脈瘤や wide neck 型の脳動脈瘤に対する治療としてステントを併用したコイル塞栓術が行われるケースが増えている.しかしながら,ステントそのものがニッケルとチタンの合金であるナイチノール製であるため, 特に closed cell type のステントに対して MRAでの治療後の血管の評価が困難であった.これに関して, 造影MRAでステント留置血管が描出されるという報告があり, 非造影MRAにおいてもパラメータを最適化することでステント留置血管の描出が改善されるかを検討した.【方法】closed cell typeのステントを封入した模擬血管に,グリセリン溶液をインジェクターにて定速注入し,3D TOF MRAを撮像した.このとき金属の影響を考慮しTEを短くすることが有効かを検討した.次に得られた最適TEにおいて flip angle を変化させ,ステント内の in flow 信号の上昇により,ステント内の血流が描出が可能かを検討した.使用装置は GE healthcare 3.0T MRI装置 Signa HDxt ver.23, コイルは12ch HNS coil を用いた.解析には Image J を使用した. 固定のパラメーターは, TR 25ms, slice thickness 0.4mm(ZIP2), matrix 320x224, FOV 21cm, band width 135kHzである.【結果・結論】まず, TE を短くすることによりステント内の in flow 信号の均一性の改善が確認できた.また flip angle はより大きくしていくことでステント内の信号が上昇することが確認された.flip angle 30度以上では信号上昇がほぼプラトーとなった.これらより設定しうる最も短いTE 1.4msで flip angleを30度程度に設定することによって非造影 3D TOF MRA において closed cell type のステント内の血流描出の改善が図れると考えられた.本法において非侵襲的に stent-assisted coil embolization 術後フォロー検査が行えることが示唆された.