第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

MRS-脳・脊髄

MRS-脳・脊髄

Thu. Sep 18, 2014 3:10 PM - 4:10 PM 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:田岡俊昭(奈良県立医科大学附属病院 放射線科)

[O-1-029] 1H MRスペクトロスコピー(MRS)の脊髄への応用。

牧聡1, 國府田正雄1, 及川泰宏1, 古矢丈雄1, 稲田大悟1, 神谷光史郎1, 大田光俊1, 桝田喜正2, 松本浩史2, 小島正歳2, 小畠隆行3 (1.千葉大学大学院医学研究院 整形外科, 2.千葉大学附属病院 放射線部, 3.放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター)

【目的】1HMR スペクトロスコピー(MRS)はMRI を用い、非侵襲的に生体内の代謝物濃度を調べる手法であり、頭蓋内疾患を中心に臨床応用が進んでいる。しかし脊髄に対するMRSは対象が小さい上、周囲組織による磁場の不均一性、周囲脂肪の信号混入、脊髄の拍動があり撮影が困難とされてきた。本研究では正常ボランテイアの脊髄MRSを撮像し、その実現可能性を検討した。【方法】対象は本研究に対して同意を得た健常成人ボランティア17名とした。男性16名、女性1名、平均年齢は31.4歳であった。装置はGE社製3.0T MRI、シーケンスはPRESS(point resolved spectroscopy)法を使用した。Single-voxel法でvoxelは上位頸髄に設置し、voxelの周囲6方向にsaturation bandを設定した。解析にはLC Modelを用いた。エコー時間(TE)、繰り返し時間(TR)、加算回数、心拍同期などの撮像条件を変更し検討を行った。【結果】 TE/TR=35/3000ms、加算回数256、心拍同期なしでの測定に対し、TE/TR=30/2000ms、加算回数512、心拍同期有ではSNRが2倍以上の良好なスペクトルを安定して得ることができた。撮像時間は約17分であった。【考察】MRSは従来のMRI等の画像診断を補う情報が得られ、脊髄疾患の鑑別・質的診断の有用な手法となりうる。今回用いた条件により安定したスペクトラムが得られ、MRSの脊髄への応用が技術的に可能であることが示された。