[O-1-032] 高精度、高信頼化を目指した高磁場4.7Tでのヒト脳1H MRSの線形結合モデルを用いた絶対定量化の検討
【はじめに】近年の臨床用MR装置上では、ヒト脳1H MRSを取得後、汎用ソフトウェアのLCModelでの内部水標準を用いた解析で代謝物濃度を算出できる。しかし、濃度のばらつきが大きいなど、確度の高い絶対定量化には課題があると考えている。今回、ヒト脳1H MRSの絶対定量化精度、信頼度の向上を目指して、測定法、後処理、解析などのプロトコルの再検討を行ったので報告する。
【方法】測定は、ヒト全身用4.7T MR装置(Agilent製)で行った。T2減衰を最小化するため、TE = 4 msのSTEAMシーケンスを用いた。90°パルス利用で1ppm当り7%程度の化学シフト(CS)位置ずれに留めた。画像上で局所領域を設定後、FASTMAP法で水スペクトル半値幅10 Hz程度までのシミングを行った。代謝物信号は、T1飽和を防ぐためTR = 5 sに設定したSTEAMシーケンスで16回積算を8回繰り返して測定した。内部水標準利用のため水信号を取得し、併せてCS位置ずれと受信B1不均一分布によるCS方向強度ずれの補正のため、搬送周波数をシフトしての複数の水信号(水信号アレイ)を取得した。
得られた8個のFID信号に渦電流磁場歪み補正後、窓関数を施し、再構成により複数のスペクトルを得た。次にNAAシングレットピークを用いて動きなどによる周波数シフト補正後、加算し、スペクトルを得た。続いて、水信号アレイを用いてCS強度ずれを補正後、逆FT変換によりFID信号を得た。
この信号に、線幅をそれ程広げることなくS/N向上が可能なGaussian窓関数を乗じたFID信号をLCModelの入力として濃度解析を行った。NMR信号計算ソフトウェアのGAMMA上で、第一の90°励起後のJHH展開とエコー形成後のCS展開を設定することで計算可能であったSTEAM信号をBasis Setに用いた。LCModel内では、dkntmn(ベースラインを決定するスプライン関数の制御点間隔)と、sddegp、sddegz(位相算出のための制御値)を露わに設定した。濃度換算には、水Basisを用いた水信号解析結果と、T1画像から求めた局所領域内の灰白質、白質分画と既知水濃度から計算した内部水濃度から求めた係数を用いた。
【結果】後頭-頭頂葉領域スペクトルの取得と各代謝物濃度算出を良好に行うことができた。
【方法】測定は、ヒト全身用4.7T MR装置(Agilent製)で行った。T2減衰を最小化するため、TE = 4 msのSTEAMシーケンスを用いた。90°パルス利用で1ppm当り7%程度の化学シフト(CS)位置ずれに留めた。画像上で局所領域を設定後、FASTMAP法で水スペクトル半値幅10 Hz程度までのシミングを行った。代謝物信号は、T1飽和を防ぐためTR = 5 sに設定したSTEAMシーケンスで16回積算を8回繰り返して測定した。内部水標準利用のため水信号を取得し、併せてCS位置ずれと受信B1不均一分布によるCS方向強度ずれの補正のため、搬送周波数をシフトしての複数の水信号(水信号アレイ)を取得した。
得られた8個のFID信号に渦電流磁場歪み補正後、窓関数を施し、再構成により複数のスペクトルを得た。次にNAAシングレットピークを用いて動きなどによる周波数シフト補正後、加算し、スペクトルを得た。続いて、水信号アレイを用いてCS強度ずれを補正後、逆FT変換によりFID信号を得た。
この信号に、線幅をそれ程広げることなくS/N向上が可能なGaussian窓関数を乗じたFID信号をLCModelの入力として濃度解析を行った。NMR信号計算ソフトウェアのGAMMA上で、第一の90°励起後のJHH展開とエコー形成後のCS展開を設定することで計算可能であったSTEAM信号をBasis Setに用いた。LCModel内では、dkntmn(ベースラインを決定するスプライン関数の制御点間隔)と、sddegp、sddegz(位相算出のための制御値)を露わに設定した。濃度換算には、水Basisを用いた水信号解析結果と、T1画像から求めた局所領域内の灰白質、白質分画と既知水濃度から計算した内部水濃度から求めた係数を用いた。
【結果】後頭-頭頂葉領域スペクトルの取得と各代謝物濃度算出を良好に行うことができた。