第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

肝臓-EOB

肝臓-EOB1

Thu. Sep 18, 2014 9:30 AM - 10:20 AM 第3会場 (3F 源氏の間南)

座長:磯田裕義(京都大学大学院医学研究科 放射線医学講座)

[O-1-038] ガドキセト酸造影MRIによる肝炎症性偽腫瘍の画像所見

鈴木達也, 佐野勝廣, 本杉宇太郎, 森阪裕之, 市川新太郎, 市川智章, 大西洋 (山梨大学医学部 放射線科)

【目的】肝炎症性偽腫瘍は臨床上、しばしば悪性病変と鑑別が困難となる疾患である。しかしながら、現在までにガドキセト酸造影MRI (EOB-MRI)による画像所見についてのまとまった報告はない。今回我々は当院で経験した肝炎症性偽腫瘍症例のMR所見をまとめて検討した。
【方法】2008年8月~2013年10月に山梨大学医学部附属病院で肝炎症性偽腫瘍と診断され、EOB-MRIが撮像された7症例17結節を対象とした。症例は25歳~76歳(平均54歳)の男性5人女性2人で、結節サイズは10mm~70mm(平均33.8mm)であった。最終診断は切除もしくは生検による病理診断(4症例8結節)、または経過観察における明らかな縮小(3症例9結節)とした。
使用装置はGE社製のSigna EXCITE 1.5T, Discovery MR750 3T, SIEMENS社製Maguetom Aera 1.5T.であった。撮像シーケンスは脂肪抑制T2WI、T1WI、DWI (b=1000s/mm2)、造影後のシーケンスは3D-GREを使用し、肝細胞相は20分後に撮像した。
2名の放射線科医が以下の項目について評価した。腫瘤の形態、T2WIの信号強度・内部性状、T1WI・DWI信号強度、肝動脈優位相・肝細胞相の信号強度、肝細胞相での辺縁の性状・境界不明瞭な領域の有無、腫瘍内を貫通する脈管(グリソン鞘)の有無。
【結果】全ての結節は境界不明瞭な部分を持つ不整形であり、T2WIでは内部不均一な高信号であった。T1WIでは14結節(82%)で低信号を示した。DWIでは13結節(76%)で高信号を示した。肝動脈優位相では16結節(94%)で不均一な染まりを認めた。肝細胞相では全結節が低信号を示し、11結節(65%)で辺縁に淡い低信号域が見られた。全結節で結節内の脈管走行が確認できた。
【結論】全結節に認めた所見は、「内部に脈管走行のある境界不明瞭な不整形の結節」で、「T2WIで高信号を示し、肝細胞相で低信号を示す」ことであった。その他、「肝動脈優位相で内部不均一な染まりを示す」ことも頻度の高い所見であった。