第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

肝臓-拡散

肝臓-拡散

Thu. Sep 18, 2014 2:10 PM - 3:00 PM 第3会場 (3F 源氏の間南)

座長:兼松雅之(岐阜大学医学部附属病院 放射線科)

[O-1-058] 肝腫瘤性病変のHigh b-value Computed DWIの初期検討

佐野勝廣1, 本杉宇太郎1,2, 森阪裕之1, 市川新太郎1, 市川智章1, 大西洋1, 若山哲也3, 掛川貴史4, 池長聰4, 熊谷博司4 (1.山梨大学医学部 放射線科, 2.ウィスコンシン大学 放射線科, 3.GEヘルスケア・ジャパン, 4.山梨大学医学部附属病院 放射線部)

【目的】Computed diffusion-weighted imaging (cDWI) は2つもしくはそれ以上のb値のDWIから各ボクセルのADC値を算出し、任意のb値の仮想DWIを作成する手法である。cDWIでは撮像された拡散強調像のb値と種類、および計算画像の(仮想)b値から様々なコントラストを作ることができる。今回我々は、cDWIを用いて肝腫瘍性病変のコントラストについて初期検討を行った。また、b=2000s/mm2のDWI (trueDWI)と比較検討した。
【方法】2014年1月から2月に当院で肝腫瘤性病変精査にてMRIを施行した10例(肝細胞癌4例、転移性肝腫瘍5例、肝血管腫1例)。病変の大きさは20.7±12.0 (10-43mm). GE社製のDiscovery MR750 3Tにて、拡散強調像は呼吸同期併用SE-EPI, TR/TE=3000-6000/50.6-68.6, matrix=128×160, slice thickness/gap=6mm/0mm, NSA=4, ASSET factor=2.0. CHESS法併用。5つのb値(0, 200, 500, 1000, 2000s/mm2)のDWI (trueDWI) を撮像した。
b値2000s/mm2のcDWIを以下の4パターンのb値の組み合わせから作成した。cDWI1; b=0, 500, 1000、cDWI2; b=500, 1000、cDWI3; b=0, 200, 500、cDWI4; b=200, 500. これらのcDWIにおける肝腫瘤性病変のContrast to noise ratio (CNR) を以下の式で算出しtrueDWI と比較検討した;病変のCNR=(SIlesion - SIliver)/ SDnoise
【成績】trueDWI(b=2000) およびcDWI (仮想b値2000)における肝細胞癌のCNRはcDWI1で最も高くなった;trueDWI, 12.1±7.5 (2.8-20.4) : cDWI1, 14.5±14.1 (10.3-20.0) : cDWI2, 10.1±2.6 (7.2-13.4): cDWI3, 5.4±4.5 (1.3-11.7): cDWI4, 4.5±3.0 (0.3-7.3).
転移性肝腫瘍と血管腫のCNRはtrueDWIで最も高くなった; 転移性腫瘍CNR、trueDWI, 14.3±6.1 (7.3-20.8) : cDWI1, 10.8±4.6 (6.5-16.8): cDWI2, 7.2±3.1 (2.1-9.4) : cDWI3, 9.8±6.0 (2.5-16.2) : cDWI4, 8.3±7.6 (0.8-19.1);血管腫のCNR, trueDWI, 11.2 : cDWI1, 4.3 : cDWI2, 3.3 : cDWI3, 3.1 : cDWI4, 3.3. その一方、cDWI1では転移性肝腫瘍と血管腫を異なるコントラストで描出することができた。
【結論】cDWIでは肝腫瘍性病変をさまざまなコントラストで描出することが可能であった。