第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

肝臓-脂肪評価

肝臓-脂肪評価

Thu. Sep 18, 2014 3:30 PM - 4:20 PM 第3会場 (3F 源氏の間南)

座長:蒲田敏文(金沢大学医学部 放射線科)

[O-1-063] 1H-MRSによる肝臓の脂肪定量~Multi peak modelを用いたデータ解析手法の最適化~

福澤圭1, 斎藤聡2, 辻良憲1, 高橋順士1, 三浦則仁1, 雨宮沙織1, 高坂祐輝1, 吉原千治1, 田野政勝1 (1.国家公務員共済組合連合会虎の門病院 放射線部, 2.国家公務員共済組合連合会虎の門病院 肝臓センター)

【背景・目的】 非侵襲的な肝脂肪含有量(HFF:Hepatic Fat Fraction)の定量方法である1H-MR-Spectoroscopy(MRS)には、PRESS法とSTEAM法があり、鉄沈着などによるT2減衰の影響を補正する目的で、複数TEを使用する方法などがある。いずれも撮像データを解析することで、HFFの定量値を得るが、データフィッティングに関して、装置付属の解析ソフトは客観性に欠ける可能性があり、その測定精度の検証が必要である。今回、装置付属のMRS解析ソフトを用いて、より客観的なMRSデータ解析を行うための手法を検討した。【方法】使用装置はIngenia3.0T(PHILIPS社製)、ds-torso coil(16ch)を用いた。MRS解析ソフトはspectro viewを使用した。基本撮像条件はPRESS法とSTEAM法: TR5000msec、VOI size 30×30×30mm、BW 2000Hz、撮像時間20msec、TEをPRESS(single echo):35msec,STEAM(single echo):10msecとした。また、multi TEはPRESS:35,45,55,65msec,STEAM:10,20,30,40msecとした。ラード(脂肪量100%)、マヨネーズ(脂肪量75%)、peanuts oil(脂肪量100%)をPRESS法とSTEAM法で、それぞれsingle TEとMulti TEで撮像し、CH2ピークをメインピーク、その他CH3などをサブピークと定義し、それぞれの周波数を記録、食品毎のmulti peak modelを作成した。肝生検で組織学的な脂肪量の分類を行い得た脂肪肝30例に対して、各multi peak modelを適応し、HFFの測定を行った。一部、LC modelの測定結果とも比較した。【成績】 ヒト肝臓のHFF測定において最もフィッティング精度が高かったのはラードのmulti peak modelであった。PRESSとSTEAMではSTEAMの方が、小さなサブピークの検出が可能であり、TEが短い影響と考えられる。脂肪量75%のマヨネーズではPRESS法が65%、STEAM法が74%となった。multi TEの手法ではTEが延長するに従って、SNRが悪くなりフィッティング精度が低下した。手動解析ソフトを使って、サブピークが存在する高度脂肪肝のMRS測定を行う場合、同一装置で脂肪成分の多い食品ファントムを撮像し、modelの作成と適応を行うことで、より客観的な定量解析が可能となり臨床でも有用であった。上記の結果をLC modelにて検証し発表の予定である。