[O-1-066] 肝の脂肪化定量評価に関する1H-MR Spectroscopyの有用性~肝生検、CT、超音波との比較
【目的】肝疾患においてウィルスマーカーの無いNAFLDに関する診断は肝生検がゴールドスタンダードであり、その診断に際しては脂肪定量も重要な位置を占める。しかし肝生検は侵襲性の高い検査であり、繰り返して検査するとリスクが高い。そこで、低侵襲ないしは非侵襲的な画像診断にて脂肪定量敵評価が可能であるかに関して、MRI、CT、超音波検査に関して比較検討し併せて組織とも比較検討した。【方法】MRIはMagnetom Avanto1.5T (Siemens社製) を使用した。MRS/MRIの撮像条件はPRESS法と2point-DIXON法は前演題と同様とした。肝臓脂肪含有量HFF(hepatic fat fraction)は、脂肪 / (水+脂肪) × 100。いずれも肝右葉の同部位測定とした。CTはAquillion 16(東芝社製)で単純CTの信号値を測定した。超音波はフィブロスキャン502でControlled Attenuation Parameter (CAP)を使用した。各種慢性肝疾患にて肝臓MRI検査を施行した190例に関して、上記各モダリティの脂肪定量値を比較した。肝生検による脂肪分類をなし得た30例においては定量精度の比較も行った。Nash Activity Score (NAS)分類に準拠した。【結果】20%以上の脂肪化例ではMRSとCT値の比較はr=-0.61で良好な負の相関をしめした。MRSとCAPはr=0.75、MRSとHFFはr=0.96と良好な相関がえられた。組織脂肪化との比較ではPRESS法、2point-DIXON法、CT、CAPとの相関はそれぞれr=0.78、r=0.81、r=055、r=0.71であり、MRIでは10%以上の脂肪化ではほぼ2/3程度数値がいずれも低値であった。【結語】肝臓領域の脂肪定量において画像診断ではMRSとCAPが有用であった。MRIは組織脂肪化と良好な相関関係にあるが、一定の比率で低値であった。今後、LC modelで解析再検討データを追加する予定である。