[O-1-068] 前立腺腹側癌におけるT2WI+ADC mapの診断能:背側癌との比較
【目的】前立腺腹側領域に発生する癌は、経直腸超音波ガイド下生検での診断が難しいため、しばしば発見が遅れることがある。今回われわれはretrospectiveにT2WI+ADC mapの診断能を、前立腺腹側癌、背側癌で比較検討した。
【方法】対象は2007年6月から2011年9月に前立腺癌疑いで3T-MRIが施行され、前立腺全摘術が施行された87症例。平均年齢66.8±5.1歳、平均PSA値10.0±5.5 ng/ml。MRIはPhilips社製Achieva 3T、6ch cardiac coilを用い、当院の前立腺プロトコールでT2WI水平断はTR/TE=4238/70ms、3.5mmスライス厚、分解能512×260 (ZIP 1024)、拡散強調はTR/TE=5132/40ms、3.5mm厚、分解能80×80、b値0 - 1000s/mm2で施行された。前立腺癌を腹側癌、背側癌に分け、T2WI, T2WI+ADC mapそれぞれにおいて5段階評価で検討し、ROC解析を行った。また腹側癌の背側癌に対する相対的感度、特異度評価 (relative fraction of sensitivity and specificity)を一般化推定方程式にて計算した。
【結果】腹側癌、背側癌におけるT2WIおよびT2WI+ADC mapのarea under the curve (AUC)はそれぞれ0.77、0.92(腹側癌)、0.72、0.84(背側癌)で、両者ともT2WI+ADC mapで有意に高値であった(腹側癌P<0.001、背側癌P=0.002)。T2WI+ADC mapで腹側癌の感度は評価3以上を病変とすると97.1%であり、背側癌にくらべて有意に高く、1.25倍の感度を示した(P=0.003)。特異度に有意差は認めなかった。
【結論】T2WI+ADC mapの前立腺腹側癌の感度は背側癌よりも有意に高く、97%に達する。このことはADC mapを用いた狙撃生検やMRIガイド下生検の有用性の根拠となりうるデータと考えられた。
【方法】対象は2007年6月から2011年9月に前立腺癌疑いで3T-MRIが施行され、前立腺全摘術が施行された87症例。平均年齢66.8±5.1歳、平均PSA値10.0±5.5 ng/ml。MRIはPhilips社製Achieva 3T、6ch cardiac coilを用い、当院の前立腺プロトコールでT2WI水平断はTR/TE=4238/70ms、3.5mmスライス厚、分解能512×260 (ZIP 1024)、拡散強調はTR/TE=5132/40ms、3.5mm厚、分解能80×80、b値0 - 1000s/mm2で施行された。前立腺癌を腹側癌、背側癌に分け、T2WI, T2WI+ADC mapそれぞれにおいて5段階評価で検討し、ROC解析を行った。また腹側癌の背側癌に対する相対的感度、特異度評価 (relative fraction of sensitivity and specificity)を一般化推定方程式にて計算した。
【結果】腹側癌、背側癌におけるT2WIおよびT2WI+ADC mapのarea under the curve (AUC)はそれぞれ0.77、0.92(腹側癌)、0.72、0.84(背側癌)で、両者ともT2WI+ADC mapで有意に高値であった(腹側癌P<0.001、背側癌P=0.002)。T2WI+ADC mapで腹側癌の感度は評価3以上を病変とすると97.1%であり、背側癌にくらべて有意に高く、1.25倍の感度を示した(P=0.003)。特異度に有意差は認めなかった。
【結論】T2WI+ADC mapの前立腺腹側癌の感度は背側癌よりも有意に高く、97%に達する。このことはADC mapを用いた狙撃生検やMRIガイド下生検の有用性の根拠となりうるデータと考えられた。