第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

前立腺-拡散

前立腺-拡散

2014年9月18日(木) 09:30 〜 10:20 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:高橋哲(神戸大学医学部附属病院 放射線部)

[O-1-071] フーリエ解析を利用した前立腺のIVIMの評価

小倉明夫1, 前田富美恵2, 早川克己3, 林則夫1 (1.群馬県立県民健康科学大学大学院, 2.京都市立病院 放射線科, 3.県立釜石病院 放射線部)

【目的】
腫瘤の灌流情報を得る指標として、IVIMのD*やf値が用いられるが、一致しないという報告が散見する。そのため、我々は、IVIMのデータ取得法と解析法に関して新たな方法を考案した。
【方法】
IVIMのデータ取得法として、MPGの50 s/mm2以下を詳細に取得し、非線形最小二乗法でフィッティングした後、フーリエ変換を施行した。フーリエ変換後の0.05の値をperfusion coefficient (PC)とした。生検前の27名の前立腺がんにおいて、b値0, 5, 10, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 50, 80, 100, 200, 400, 800 s/mm2で拡散強調画像を撮像し、腫瘍部と対側の正常部でD*, f, ADCおよびPCを算出した。腫瘍の検出能およびDynamic contrast enhancement(DCE)での評価と各指標の関連を検討した。
【結果】
前立腺がんの検出率は、f = 0.59, D* = 0.56, ADC = 0.78, PC = 0.74であった。またDCEとの評価との合致率は、f = 0.5, D* = 0.4, PC= 0.8であった。ADCとPCの両者で判断した場合の検出能は、ADCとDCEで判断した場合の96%であった。
【考察】
 IVIM評価における本法の指標は、vascularityの評価として有効と考えられた。DCEに置き換わるものではないが、造影剤が使用できない患者には有効と考えられる。