第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

前立腺-その他

前立腺-その他

Thu. Sep 18, 2014 10:20 AM - 11:20 AM 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:玉田勉(川崎医科大学 放射線医学教室(画像診断1))

[O-1-077] 前立腺癌におけるADCヒストグラム解析:Gleason scoreとの比較

上田優1, 高橋哲2, 京谷勉輔1, 川光秀昭1, 上野嘉子2, 北島一宏2, 奥秋知幸3, 杉村和朗2 (1.神戸大学医学部附属病院 放射線部, 2.神戸大学医学部附属病院 放射線科, 3.フィリップス ヘルスケア アジア パシフィック)

【目的】前立腺癌の悪性度とADCヒストグラム解析より算出されたパラメータを比較検討した.
【方法】生検で前立腺辺縁域癌診断後,前立腺全摘術前に3.0T-MRIが施行された51名(64.6±5.2歳)を対象とした.全例,倫理委員会の承認を受けており,インフォームドコンセント後にMRI検査を実施した.使用装置はAchieva 3.0T Quasar Dual(Philips社製)である. 3点のb値(0,1000,2000 sec/mm2)を用いて拡散強調画像を撮像し,得られた信号強度をmonoexponential解析を用いて,3つのADCマップ(ADC0-1000,ADC0-2000,ADC1000-2000)をそれぞれ算出した. 各ADCマップにおいて,マルチスライスで癌部にROIを設定し,平均値, 中央値,歪度そして尖度をそれぞれ算出し,Gleason score(GS)の3群(GS:6,GS:7,GS≧8)間における有意差をTukey-Kramer testを用いて検討した.また,3群間においてSpearmanの相関係数を用いて検定を行った.
【結果】ADC0-1000とADC1000-2000より算出されたADCの平均値, 中央値,歪度そして尖度はいずれもGS間で有意差を認められなかったが,ADC0-2000より算出された尖度は有意差を示した(P<0.05).また,ADC0-2000より算出された尖度はGS間で優位に相関を示した(R=0.41;P<0.05).GS:6,GS:7,GS≧8におけるADC0-2000より求められた尖度の値はそれぞれ0.05±1.04,-0.51±0.54,-0.77±0.45であった.
【結論】ADCヒストグラム解析より算出されたADC0-2000の尖度は非侵襲的に前立腺辺縁域癌におけるGSを予想可能であることが示唆された.