第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

乳腺-拡散

乳腺-拡散

Thu. Sep 18, 2014 1:30 PM - 2:10 PM 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:川島博子(金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 量子医療技術学講座)

[O-1-084] 乳癌DWIにおけるComputed DWIの有用性

扇屋りん1, 高原太郎2, 新倉直樹1, 風間俊基3, 茅野俊介4, 徳田裕1 (1.東海大学医学部 乳腺内分泌外科, 2.東海大学工学部 医用生体工学科, 3.東海大学医学部 画像診断学, 4.ザイオソフト)

【目的】近年computed DWI(cDWI)にて高b値の拡散強調像を得ることができるようになった。乳癌においては、背景乳腺の信号強度が高いため腫瘍の観察が困難になる症例があり異なる2つのb値の取得などが推奨されている。しかし、複数のb値で撮影すると同じ検査時間では加算回数が減るため、画質が劣化する潜在的な問題がある。本研究では過去に撮影したデータを用いて、cDWIを作成し、背景乳腺の抑制に有用かを検討した。【方法】対象は当院で実施された乳房造影MRIのうち、2010年12月~2011年12月までの病理学的に浸潤径1cm以上であることが確認された連続184症例中、背景乳腺信号が一般に高い46歳以下の24症例(32歳~46歳、平均40歳)を対象とした。3.0TMRIでb値0および800s/mm2の拡散強調画像を撮影した。ワークステーション(Ziostation2)を用い、b値1200と1500のcDWIを作成した。背景乳腺に対する腫瘍の相対信号強度比を計測し、repeated measures ANOVA法で有意性を検討した。【結果】相対信号強度比は、c1500>c1200>b800の順に高かった。また、これら3群間はすべてp<0.0001で有意な差を認めた。全例で良好であったわけでなく、2例においてcDWIが相対信号強度比がより低かった。【考察】cDWIは多くの場合、背景乳腺の信号抑制に有効と考えられる。cDWIでより腫瘍が目立たない症例もあることから、interactiveにb値を変えながら診断することが必要かもしれない。