[O-1-084] 乳癌DWIにおけるComputed DWIの有用性
【目的】近年computed DWI(cDWI)にて高b値の拡散強調像を得ることができるようになった。乳癌においては、背景乳腺の信号強度が高いため腫瘍の観察が困難になる症例があり異なる2つのb値の取得などが推奨されている。しかし、複数のb値で撮影すると同じ検査時間では加算回数が減るため、画質が劣化する潜在的な問題がある。本研究では過去に撮影したデータを用いて、cDWIを作成し、背景乳腺の抑制に有用かを検討した。【方法】対象は当院で実施された乳房造影MRIのうち、2010年12月~2011年12月までの病理学的に浸潤径1cm以上であることが確認された連続184症例中、背景乳腺信号が一般に高い46歳以下の24症例(32歳~46歳、平均40歳)を対象とした。3.0TMRIでb値0および800s/mm2の拡散強調画像を撮影した。ワークステーション(Ziostation2)を用い、b値1200と1500のcDWIを作成した。背景乳腺に対する腫瘍の相対信号強度比を計測し、repeated measures ANOVA法で有意性を検討した。【結果】相対信号強度比は、c1500>c1200>b800の順に高かった。また、これら3群間はすべてp<0.0001で有意な差を認めた。全例で良好であったわけでなく、2例においてcDWIが相対信号強度比がより低かった。【考察】cDWIは多くの場合、背景乳腺の信号抑制に有効と考えられる。cDWIでより腫瘍が目立たない症例もあることから、interactiveにb値を変えながら診断することが必要かもしれない。