[O-1-100] 患者体位の違いによる脳萎縮評価の基礎的検討
【目的】早期アルツハイマー型認知症診断支援システム(VSRAD)は、仰臥位かつAC-PC lineが水平となる体位を推奨している。VSRADの解析結果であるZ-scoreは顎の挙上により値が変動する事が報告されているが、体位による影響は報告されていない。体位(頭の傾き)による脳萎縮評価への影響について検討する。【使用機器・方法】MRI:Achieva 1.5T ,Coil:SENSE-HEAD coil。本検討の趣旨を説明、同意を得られた50代以上の健常ボランティア5名(当院倫理委員会承認済)を対象に仰臥位、右側臥位、腹臥位にてVSRADの撮像基準を満たしたT1強調画像を撮像した。これらのデータをVSRADで解析し、Z-score、全脳萎縮度の評価を行った。また、体位による脳局所の変動をvb-SEEのExtent scoreを使用し評価した。【結果・考察】Z-score,全脳萎縮度共に仰臥位<右側臥位<腹臥位で大きくなる傾向であった。また、vb-SEEでは仰臥位と比較し右側臥位で右半球のExtent scoreが低下、腹臥位で脳幹、小脳のExtent scoreが増大する傾向であった。この事から体位により脳の形状が変化している可能性が考えられた事、その変化は局所で起きている事が観察されたと考えられ、体位により解析値が変動する可能性が示唆された。