第42回日本磁気共鳴医学会大会

Presentation information

一般演題

シーケンス

シーケンス1

Thu. Sep 18, 2014 10:10 AM - 10:50 AM 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:長縄慎二(名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻高次医用科学講座量子医学分野)

[O-1-106] 小児脳における静音3D-T1強調シーケンス T1-PETRAの技術的検討

村本安武1, 佐藤公彦1, 草切孝貴1, 鈴木悠一1, 筑丸勝人1, 村田勝俊2, 相田典子3 (1.神奈川県立こども医療センター 放射線技術科, 2.シーメンス・ジャパン株式会社, 3.神奈川県立こども医療センター 放射線科)

【目的】3D-T1強調PETRA(WIP)は非常に静かなため小児での使用が望まれるが、髄鞘化が未完成な小児脳では1stTIを変えるなど最適化が必要である。小児脳ルーチン撮像でMPRAGEの代替となり得るように最短化を図り、視覚的に許容できた撮像時間4分20秒とした場合の両者の画質の技術的検討を行う。
【方法】MAGNETOM Verio 3T(Siemens)にて32ch頭部コイルを使用し、静音シーケンス追加撮像の同意を得た症例(新生児から15才)で脳実質T1値を測定し最適1stTIを考察した。PETRAとMPRAGE(FOV15cm:3分27秒、20,24cm:3分5秒)の空間分解能を自作チャートで測定、SNRは半卵円中心レベルの白質で測定、音圧は音圧計により検査室内で測定し、各々比較した。
【結果・考察】有所見例を相当数含んではいるがfig.1より脳実質のT1値は髄鞘化に伴う短縮が確認され、1stTIは髄鞘化の完成前後で変える必要があると示唆された。fig.2より空間分解能に大きな差は認められず、PETRAの高周波成分に寄与するSpoke数が適切であったと考えられる。SNRはPETRAの方が高い傾向が認められ、PETRAの低周波領域のデータ密度が高いためだと考えられる。音圧はBackground 53.4dB(A)に対しMPRAGEが+34.0dB(A)、PETRAが+4.8dB(A)であった。
【結語】3D-T1強調PETRAの画質は撮像時間4分台としても、空間分解能、SNRともに良好でMPRAGEの代替となり得る。ただし小児脳で良好なコントラストを得るためには適切な1stTIの設定が必要である。