第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

シーケンス

シーケンス1

Thu. Sep 18, 2014 10:10 AM - 10:50 AM 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:長縄慎二(名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻高次医用科学講座量子医学分野)

[O-1-108] 3D-FSE STIR画像による視神経の描出能向上の試み

原田邦明1, 原田太以佑2, 立花美紀1, 平田洋介3, 佐々木真理2 (1.株式会社日立メディコ MRIシステム本部, 2.岩手医科大学医歯薬総合研究所 超高磁場MRI診断・病態研究部門, 3.岩手医科大学附属病院 放射線部)

【目的】視神経炎などの視神経病変の評価にはSTIR画像が広く用いられている。一般には2D-FSE法による冠状断を撮像するが、部分容積効果のため、視神経管部などにおける小病変の検出能は十分ではない。そこで、3D-FSE法による高分解能STIR画像を取得できれば、視神経病変の診断能が向上すると考え、眼窩領域の3D-FSE STIRの撮像条件の最適化を行うとともに、従来の2D STIRと画質の比較検討を行った。【方法】研究の目的を十分に説明して同意を得た健常ボランティア3名、視神経炎患者1名を対象に、株式会社日立メディコ社製 3 Tesla MRI装置を用いて、冠状断2D-STIR画像と水平断3D-STIR画像を撮像した。4 channel RF shimmingののち、2D-STIRはTR 4500ms, TI 200ms, TE 9.8ms, FOV 200mm, matrix 384x256, thickness 3.5mm, 撮像時間2:47で、3D-STIRは冠状断MPR画像における空間分解能を重視して撮像条件の最適化を行い、TR 1500ms, TI 200ms, TE 6ms, FOV 200mm, matrix 256x256, thickness 0.8mm (0.8mm isotropic voxel), 撮像時間5:52で撮像した。3D-STIR元画像から2D-STIRと同一断面の冠状断MPR画像を作成し、5スライスにおける視神経の信号 (SI-ON)と視神経周囲のCSFの信号(SI-CSF)をそれぞれ計測し、コントラスト比(SI-CSF/SI-ON)を算出した。さらに、視神経の短軸に平行な斜位冠状断MPR画像を作成し、視神経の描出能について視覚的に評価した。【結果】SI-CSF/SI-ONは、2群間において統計学的に良好な一致性を確認した。(r=0.761, 級内相関係数)。また、3D-STIRによる視神経短軸像では、視神経を全長にわたって明瞭に描出することができ、視神経中央部に網膜中心静脈と考えられる高信号構造も全例で確認することができた。視神経炎患者では、3D-STIRにおいて視神経の萎縮や異常信号が2D-STIRに比し明瞭に描出されていた。【結論】3D-FSE法によるSTIR画像は、撮像条件の最適化により視神経を高い空間分解能で任意の断面にて観察することが可能であり、視神経の微細病変の検出能向上に寄与することが期待される。