[O-1-117] 高速パラレルイメージング(CAIPIRINHA)を併用した高速3D GRE法における撮像時間短縮の検討
[目的] パラレルイメージングは、空間分解能を保持したまま撮影時間を短縮する手法の一つである。トレードオフとしてSNRの低下やAcceleration factorを高く設定するとアーチファクトが出現する欠点がある。Controlled aliasing in parallel imaging results in higher acceleration(CAIPIRINHA)は、3D GRE(VIBE)法においてスライスエンコード方向のサンプリングシフトを行うことで、これらの問題を解決する手法である。今回、我々は、Gd-EOB-DTPA を用いたDynamic検査において撮像時間を短縮するため、CAIPIRINHAを併用した高速3D GRE法と従来法との画質と撮像時間短縮の関係について検討した。 [方法] 使用装置は、Siemens社製Magnetom Avant1.5Tを使用した。基本撮像条件は、TR/TE:3.98/1.5ms、FA: 12°、FOV:350mm×262mm、Matrix:320 × 192、Slab:72mm、 Spatial resolution:1.1mm × 1.8mm × 2.5mm、Scan plane: Axial、Fat saturation:Q-fatとした。Acceleration factor:2.0,3.0,4.0として従来法のGRAPPA法とCAIPIRINHA法でPhantomを撮像し、差分法にてSNRを算出し、Phantom画像からアーチファクトの出現について比較した。Phantomの結果より、SNRとアーチファクトの関係から最適な条件で撮像時間短縮を行い、臨床応用を行なった。[結果] Acceleration factor:2.0,3.0,4.0とすると撮像時間は、20秒、15秒、12秒と短縮することが可能となった。しかし、従来法のGRAPPA法では、Acceleration factor: 3.0と4.0では、g-factorの増加による画像中央部にアーチファクトが出現し、CAIPIRINHA 法では、アーチファクトが改善した。 [まとめ] CAIPIRINHA法を併用した高速3D GRE法は、Gd-EOB-DTPA を用いたDynamic検査においてAcceleration factorとreference linesを調整することで15秒の呼吸停止下で行えるようになり、有用であった。