[O-1-120] PROPELLER法における折り返しアーチファクトの基礎的検討
[背景及び目的]PROPELLER法は従来のFast Spin Echo法と比較するとmotion artifactを抑制し動きのある部位には非常に有効な撮影シーケンスである。しかし水平断と比較すると冠状断、矢状断では体軸方向の折り返しアーチファクトを抑制するためにOver samplingをする必要がある。しかしOver samplingによりBladeの幅が狭くなりsampling時間の延長など動きに対する補正効果が低下することが予測される今回我々はBlade幅が折り返しアーチファクトに与える影響を検討した。[対象・研究方法]1)ファントム実験にてOver samplingを1.0,1.25,1.5,2.0,2.5と変化させ折り返しアーチファクトに与える影響を検討した。2)ファントム実験にてARC の有無により折り返しアーチファクトの違いを比較した。3)ファントム実験にてETLを12,24,36,48,60と変化させ折り返しアーチファクトに与える影響を検討した。[結果]1)Over sampling1.0で最も強く折り返しアーチファクトが出現し、Over samplingが増加するにつれストリーク状のアーチファクトの出現する間隔が狭くなった2)ARC無しに比べARC有りではストリーク状のアーチファクトの出現する間隔が広くなった。3)ETLが増加するにつれてストリーク状のアーチファクトの出現する間隔が狭くなった[考察]PROPELLER法ではk-spaceの高周波成分、低周波成分における充填率の違いが折り返しアーチファクトに影響すると考えられる。よって折り返しの対象物自体が持っている周波数成分により折り返しアーチファクトも変わる可能性が高く人体での検討が必要である。[結論]PROPELLER法における折り返しアーチファクトとBlade幅との関係を把握でき、冠状断、矢状断における画質を改善の可能性が示唆された。