[O-2-136] Diffusion tensor imagingにおけるmulti-band factorが及ぼす影響の検討
【目的】Multi-band EPIは同時に複数のRF送信を行い複数断面を一度に撮影する技術である。この技術を使用することにより同一TRで撮像可能なスライス枚数が増加するため、臨床応用可能な範囲で高空間分解能のDWIを得ることが可能になった。一方、Multi-band factor(以下MB factor)の増加に伴い、SNRの上昇があるが、展開エラーの増加も報告されている。本実験ではDiffusion tensor tractographyにおけるMB factorの及ぼす影響を検討した。【方法】SIEMENS社製MAGNETOM Skyra、32ch head-coilにて、Minnesota大学から提供されたMB-EPI Sequenceを使用し、TEは119.6ms(δ、Δは、MB1で28.4ms, 56.2ms、MB2, 3, 4で19.2ms, 59.5ms)に固定し(TR7500ms以上)、アスパラガスファントムと健常ボランティアをacceleration factor(以下PAT)2,MB factor1から4で撮影した。syngo Neuro3D を用いてファントムのSeed pointのFA、ADC、Tractの平均長を測定した。展開エラーがあるとそこでtrackingができなくなることを利用して、広範に広がるtractの平均長にてSNRや展開エラーの影響を評価することにした。健常ボランティアでは橋にROIを置きFA、ADCを計測し、そのROIをSeed pointとしてdiffusion tensor tractgraphyを作成、Tractの平均長を測定した。【結果】MB factorの増加に伴い、FA、ADCはファントム、ボランティアともに増加傾向にあった。Tractの平均長はボランティアにおいてMB-factor1より2で上昇傾向がみられ, 3,4では下降傾向がみられた。【考察・結語】ADC、FA共に上昇傾向にあるのは画像展開によるSNRの上昇が影響したものと考えられる。平均長がMB-factor1から2で上がるのはSNRの、それ以降でFAの上昇にもかかわらず低下するのは展開エラーの影響が考えられた。 適切なパラメータ設定が必要と考えられた。