第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

拡散-技術

拡散-技術

Fri. Sep 19, 2014 9:30 AM - 10:20 AM 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:宮地利明(金沢大学医薬保健研究域 保健学系)

[O-2-139] FOCUSを用いたVim核同定の試み:本態性振戦に対する経頭蓋MRガイド下集束超音波視床破壊術の応用に向けて

堀大樹1, 山口敏雄2, 阿部圭市3, 村上陽子1, 吉原尚志2, 村垣善浩4, 平孝臣4 (1.新百合ヶ丘総合病院 診療放射線科, 2.新百合ヶ丘総合病院 放射線診断科, 3.新百合ヶ丘総合病院 脳神経外科, 4.東京女子医科大学病院 脳神経外科)

【背景・目的】
当院では2013年5月より本態性振戦患者に対する経頭蓋MRガイド下集束超音波(TcMRgFUS)による視床破壊術の治験を行っている。TcMRgFUSは水で満たしたtransducer内に頭部を挿入し、中周波超音波を照射することによりVim核を熱凝固する技術である。Vim核はShort TI Inversion Recovery(STIR)及びDiffusion Tensor Image(DTI)にてその位置の同定が可能なことが知られている。しかしSingle Shot-EPIによるDTIは画像の歪みが大きくSTIR画像等との位置ずれによりVim核の正確な計測にDTIを用いることは困難であった。一方FOV Optimized and Constrained Undistorted Single-shot(FOCUS)は局所励起技術により歪みの少ないDTIを得ることができる。FOCUS DTIを用いてVim核の位置の同定が可能であるか検討したので報告する。
【使用装置】
GE社製 Discovery MR750W 3.0T DV24
InSightec社製 TcMRgFUS
【方法】
(1)FOV・Phase FOV Ratio・Matrixを変化させたFOCUS DTIにて自作ファントムを撮像しDistortion Ratio(DR)を計測した。患者100名の頭部画像よりAC-PC line及び視床左右径を計測し、臨床で使用可能なPhase FOV Ratioを検討した。
(2)臨床画像よりSTIRとFOCUS DTIをFusionし、歪みよるVim核の位置ずれを検討した。
【結果】
(1)FOV・Phase FOV Ratio・Frequency Matrixは小さいほど歪みも小さくなった。Phase Matrixによる歪みの影響は少なかった。患者100名の頭部画像より得られたAC-PC lineの平均値は約26mm、視床左右径は約37mmであったことから、臨床で使用可能なPhase FOV lengthは40mmであった。
(2)FOCUS DTIを用いることによりSingle shot-EPIによるDTIよりも歪みが少なくSTIRとのFusion画像でのVim核の位置ずれが少ない画像を得ることができた。
【考察】
FOV・Phase FOV Ratio・Frequency Matrixが小さいほど歪みも小さくなったのは、FOCUSであってもSingle shot-EPIと同様に1shot当たりの収集時間が短いほど歪みが小さくなる為と考えられる。歪みの少ないDTIを得られたことによりTcMRgFUSにおける視床破壊術の治療精度の向上及び治療時間短縮の可能性が示唆された。