[O-2-168] ブタ正常半月板におけるT1rho値・T2値と組織・生化学所見との比較
【目的】T1rho・T2値は関節軟骨において深層が表層より低いzonal variationを示すことが報告されているが、半月板における報告はない。本研究ではブタ正常外側半月板の部位ごとのT1rho・T2値を計測し、組織・生化学所見と比較を行った。【方法】10膝を用いた。3.0T MRIを用いT1rho・T2マッピングの矢状断像を撮影、解析はザイオソフト社のTxマッピングを用いた。ROIsは半月板後節を長軸方向にinner, middle ,outer zoneに3分割し設定した。GAG・コラーゲン量を計測し、組織学的にsafranin-o、picrosirius red染色、電子顕微鏡所見をzone毎に比較した。【結果】T1rho値(ms)は inner 37.7±4.3, middle 33.9±2.7, outer 35.6±2.5で、middleがinnerより高値を示した(p<0.01)。T2値(ms)はinner 29.6±3.5, middle 26.0±2.4, outer 25.0±1.5でouterがinnerより低値を示した(p<0.01)。生化学所見はGAG量はinnerが他のzoneより高く(p<0.05)、コラーゲンはouterがinnerより高かった。組織所見ではinner, middleは線維軟骨組織であるが、innerは硝子軟骨に近い所見であり、outerは線維性組織でコラーゲン線維が密に存在した。【考察】T1rho値、T2値とも正常半月板においてzonal variationを認めた。T2値はコラーゲン量の多い、outer がinnerより低値を示し、T1rho値はコラーゲン量、GAG量とも中等度に含有するmiddleが他のzoneに比べ低値を示したと考えられた。