[O-2-181] Gd造影剤ファントムを用いたQuantitative susceptibility mapping (QSM) の定量性に関する検討
【目的】Quantitative susceptibility mapping (QSM) は組織が持つ磁化率を定量評価できるようにマップ化する技術である. QSMの計算手法の一つであるMorphology enabled dipole inversion (MEDI) 法を用いてGd造影剤ファントムの磁化率の定量評価を行った.
【方法】蒸留水で希釈した異なる濃度(4, 2, 1, 0.5, 0.25, 0.125 mmol/l)のGd造影剤(マグネビスト)を15 ml のconical tubeで各々密封し, プラケースに配列しPVAを満たしたものをファントムとした. 3テスラ MR装置(Siemens社製 Magnetom Skyra)を用いて実験を行った. 撮像シーケンスはマルチエコーのスポイルドグラジエントエコーを使用し, Flip angle (FA) を10, 15, 20, 25, 30 度, マルチエコーのΔTEを5.91, 7.88, 11.83 msと変化させて画像データを収集した. 収集したデータは, Matlab (Mathworks, Natick, MA) を用いてsusceptibility mapの計算を行った [1] . 各濃度のファントム画像に関心領域(ROI)を設定し, ROI内の信号平均値を計測しsusceptibilityの理論値と比較した. susceptibilityの理論値はキュリーの法則により算出し, 造影剤濃度に対するsusceptibilityの関係式はy = 0.326xとした [2] .
【結果】ΔTE = 5.91 ms, FA = 20 度の条件で, 最も造影剤濃度とsusceptibilityに比例関係が見られた (r2 = 0.979). 一方, ΔTE = 11.83 ms, FA = 30 度の条件で, 比例関係は見られずsusceptibilityが理論値と大きく異なった (r2 = 0.021).
【結語】 今回のファントム実験で, Gd造影剤濃度とsusceptibilityに比例関係を認めたが, ΔTE およびQSMパラメータの設定によりsusceptibilityが大きく異なった.
[1] T. Liu et al. MRM 2013;69(2):467-76 [2] L. Rochefort et al. MRM 2008;60:1003-1009
【方法】蒸留水で希釈した異なる濃度(4, 2, 1, 0.5, 0.25, 0.125 mmol/l)のGd造影剤(マグネビスト)を15 ml のconical tubeで各々密封し, プラケースに配列しPVAを満たしたものをファントムとした. 3テスラ MR装置(Siemens社製 Magnetom Skyra)を用いて実験を行った. 撮像シーケンスはマルチエコーのスポイルドグラジエントエコーを使用し, Flip angle (FA) を10, 15, 20, 25, 30 度, マルチエコーのΔTEを5.91, 7.88, 11.83 msと変化させて画像データを収集した. 収集したデータは, Matlab (Mathworks, Natick, MA) を用いてsusceptibility mapの計算を行った [1] . 各濃度のファントム画像に関心領域(ROI)を設定し, ROI内の信号平均値を計測しsusceptibilityの理論値と比較した. susceptibilityの理論値はキュリーの法則により算出し, 造影剤濃度に対するsusceptibilityの関係式はy = 0.326xとした [2] .
【結果】ΔTE = 5.91 ms, FA = 20 度の条件で, 最も造影剤濃度とsusceptibilityに比例関係が見られた (r2 = 0.979). 一方, ΔTE = 11.83 ms, FA = 30 度の条件で, 比例関係は見られずsusceptibilityが理論値と大きく異なった (r2 = 0.021).
【結語】 今回のファントム実験で, Gd造影剤濃度とsusceptibilityに比例関係を認めたが, ΔTE およびQSMパラメータの設定によりsusceptibilityが大きく異なった.
[1] T. Liu et al. MRM 2013;69(2):467-76 [2] L. Rochefort et al. MRM 2008;60:1003-1009