[O-2-185] 1.5T装置における肝臓領域の1H-MR Spectroscopyの有用性~鉄の影響を考慮したMRSとDIXON法の脂肪定量の比較
【目的】各種慢性肝疾患、特に近年増加傾向になるとされる、NAFLDなどにおける脂肪含有量の測定することは重要である。そこで、1.5T MRIによる肝臓の脂肪定量に関して 1H-MRS(PRESS法STEAM法)と2point-DIXON法の3種類の方法を用いて、鉄の影響を考慮して比較検討を行った。【方法】使用装置はMagnetom Avanto1.5T (Siemens社製) 。撮像条件はPRESS法、STEAM法とも前演題同様。2point-DIXON法:TR/TE 7/ 2.4/4.8(ms)、スラブ厚 5mm、average 1 撮像時間20秒、T2*値は2D-FLASH法より6エコーにて測定した。肝臓脂肪含有量HFF(hepatic fat fraction)は、MRSでは水と脂肪のピーク面積を、MRIでは水画像と脂肪画像の信号値をそれぞれ使用して以下の式で計算した。脂肪 / (水+脂肪) × 100。なお、いずれも肝右葉の同部位よりの測定とした。また一部の症例はLC modelにより解析した。対象は各種慢性肝疾患の190例である。上記各撮像法による脂肪定量値を比較した。【結果】1)T2*値から見た、14ms以下の中等度以上の鉄沈着症例ではMRSで定量困難であったため、検討対象から除外した。2)PRESS法とSTEAM法はr=0.94と高い相関関係を示した。またPRESS法と2point-DIXON法の相関関係はr=0.92であった。【結語】各種慢性肝疾患の病態把握における脂肪含有量測定は、1.5T MRSではPRESS法、STEAM法はほぼ同等であった。肝臓全体の分布を把握できる2point-DIXON法との相関も良好であり、鉄沈着が軽度の症例まではいずれの方法も有用と考えられた。