[O-2-189] ガドキセト酸ナトリウム造影剤を用いたT1値変化によるHepatocyte Fractionおよび肝機能評価
【目的】肝細胞内へ特異的に取り込まれるガドキセト酸ナトリウム(Gd-EOB-DTPA: 以下EOB)は、ダイナミックスタディによる血流評価および肝機能評価が可能であるといえる。EOBを用いた肝機能評価は、造影剤の取り込みによるT1値測定によるT1短縮率1) やIGCとの比較2)が報告されている。今回我々は、EOB造影前後の肝臓および脾臓のT1値測定を定量的に行うことで、肝臓内の肝細胞比率(Hepatocyte Fraction)および単位時間当たりのEOB取り込み率を求め、99m Tc-GSAとの比較を行ったので報告する。【方法】使用装置はPhilips社製3T装置(Achieva)。Look-Lockerシーケンスを用い15秒の息止めのスキャンにて、造影前、造影後約10分および20分後の肝実質および脾臓のT1値を計測を行った。得られたT1値からHepatocyte Fractionおよび単位時間当たりの摂取率を求めた。99m Tc-GSAはHH15とLHL15の結果から、Normal, Mild, Moderate,Severeに分類し、Kruskal-Wallis methodを用いてHepatocyte Fractionおよび摂取率とで比較を行った。【結果・結論】今回の方法で求められたHepatocyte Fractionおよび摂取率は、99m Tc-GSAによる肝機能評価のNormal liver function(NLF)と各群間に有意差が得られた。また、NLFにおける求めらたHepatocyte Fractionは約80%であった。T1値測定をEOB前後で行いHepatocyte Fractionを求めることで、肝機能評価の可能性を検討した。Hepatocyte Fractionを用いた定量的な肝機能評価の有用性が期待された。(参考文献)1)Katsube T et al : Invest Radiol 2011;46:277-2832)Motosugi U et al : JMRI 2009;30:1042-1046