[O-2-192] 下腿筋BOLDイメージにおいてextrapolated TEを用いたblood volumeの評価
【背景および目的】下腿筋のBOLD imagingは、末梢動脈閉塞性疾患のような四肢末梢灌流の評価が行える可能性があり、予防医学の観点から見ても臨床応用が期待されている。これまでT2*mappingによる四肢末梢灌流の評価が報告されてきているが、複数のTEの計算値からなるT2*mappingは、blood oxygen、blood volume(proton density)など様々な成分が混合していると考えられる。理論計算値からextrapolated TEを計算しTE0の場合のintensityを評価すれば、BOLD imagingのblood volumeの影響を評価できるのではないかという仮説のもと検討を行った。【方法】撮像はTurbo Field Echo型EPIを用い、TR1000ms, TE15.5ms , 45.2ms , 74.9ms , 104.7ms , 134.5ms , 164.2ms, NSA 1, Dynamic number 700, One dynamic=1secで撮像を行った。なお、大腿部に血圧測定用のカフを巻き、撮像開始から60sec後に加圧し360sec後に解放した。対象は本研究に同意の得られた健常ボランティア6名(Male ; 28y±4.8y)で得られた画像のT2*mapおよび計算式から得たextrapolated TEのダイナミックカーブを作成し比較した。【結果および考察】T2*mapおよびextrapolated TEのグラフでは全く異なる挙動を示した。カフの加圧を始めてから解放までの間にT2*mapは徐々に低値となってくるが、extrapolated TEは徐々に数値が上昇する傾向にある。extrapolated TEは、理論的にはproton densityを表していると考えられ、下腿筋内の鬱血を表現していると考えられる。また、解放後は、動脈血による血液量の変化を捉えていると考えられる。よって、extrapolated TE0を用いたBOLDイメージはT2*の影響を最小限にし、下腿筋内の血液量の増減を検知出来る可能性が示唆された。