[O-2-200] 3D-SPGR・FIESTA合成画像による腰椎神経根描出の検討
【背景】現在、当院では腰椎神経根(以下、神経根)に対し3D-COSMIC(以下、COSMIC)で撮像している。しかしパラメータの変更には様々な制約があり、神経根をより良いコントラストで得る事は困難である。【目的】今回、我々は従来、神経根の撮像に使用してきた3D-SPGR(以下、SPGR)と3D-FIESTA(以下、FIESTA)の各特長に着目し、合成画像を作成、その有用性を検討したので報告する。【使用機器】GE社製Signa HDe1.5T , GE社製Signa HDxt1.5T 【方法】同意を得た健常ボランティアに対し、神経根描出改善の為、FIESTAのTE (Minimum, Minfull, in Phase, out of Phase), BW (41.67-125kHz), FA (20-90°)を変更し至適条件を検討した。その検討方法は、神経根・椎体・筋肉それぞれのCR (Contrast Ratio)と SNR(Signal to Noise Ratio)を測定した。次に、SPGRとFIESTAの合成比率をワークステーション上で変化させ、神経根の形状・周辺組織・椎体について診療放射線技師3名により視覚的評価を行った。更に、合成画像とCOSMICについて、神経根・椎体・筋肉のCR及びSNRを測定し比較検討を行った。【結果】FIESTAの神経根と椎体、神経根と筋肉のCR及びSNRの比較検討により、TE: Minfull、BW:83.33kHz、FA: 60°を至適条件とした。またSPGRとFIESTAの合成比率は、神経根・周辺組織・椎体の識別には8:2付近が最適と思われた。合成画像とCOSMICの比較検討では、神経根のSNRは合成画像に比べCOSMICの方が僅かに良好だったが、神経と椎体、神経と筋肉のCRは合成画像の方が良好であった。【考察】合成画像は、合成比率を設定する事により、神経根・周辺組織・椎体等、描出目的に応じた画像が得られ、その有用性は高いと思われる。しかし、撮像時間が長い為、体動による位置ズレが起こる事が危惧され、更なる検討が必要である。