RFシム

[O-2-206] 4チャンネル照射コイルを用いた乳房領域の局所RF シム効果

^〇伊藤公輔¹, 金子幸生², 五月女悦久^1,2, 瀧澤将宏¹ (1.(株)　日立メディコ　MRIシステム本部, 2.日立製作所　中央研究所)

[目的]高磁場MRIを用いた乳房撮像では、照射RFパルスの空間的な不均一を原因としてシェーディングや左右差が発生する。また、高磁場MRIでは照射パワーが低磁場MRIよりも大きくなることも問題である。これらの問題を解決するため、局所RFシムを乳房領域に適用し、効果を検証した。[方法]使用装置は全身撮像用3T装置である。4チャンネル照射コイルを用いた。研究の目的を説明し、文書で同意を得た6例の健常ボランティアを用いて検討した。Multi Td法により冠状断の3枚のB1 mapを取得した。取得したB₁ mapを用いてRFシムパラメータを計算した。局所RFシムで設定する関心領域はB₁ mapの乳房側半分の領域とした。QD(Quadrature Drive)照射、従来RFシム、局所RFシムの3パターンで、B₁ mapの均一度、左右差、照射パワーを比較した。[結果]従来RFシムではQD照射と比べて均一度が25%改善し、左右差は69%改善した。照射パワーはQD照射と同等程度であった。局所RFシムではQD照射と比べて均一度が34%改善し、左右差は90%改善した。照射パワーは18%低減した。[考察及び結論]局所RFシムでは、乳房領域に寄与の少ないチャンネルのRFシムパラメータが小さくなったため、照射パワーが低減したと考えられる。局所RFシムを用いることで乳房撮像時には照射パワーの低減と均一度の向上の両方を同時に実現できた。