第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

RFシム

RFシム

2014年9月19日(金) 09:30 〜 10:20 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:巨瀬勝美(筑波大学 数理物質系物理工学域)

[O-2-207] 人用7.0 Tesla装置でのSpin EchoシーケンスにおけるRF Shimming機能の追加

松田豪1, 栗本貴子1, 原田太以佑2, 目時毅2, 椛沢宏之1, 工藤與亮3, 佐々木真理2 (1.GEヘルスケア・ジャパン株式会社 技術本部研究開発室MR研究室, 2.岩手医科大学医歯薬総合研究所 超高磁場MRI診断病態研究部門, 3.北海道大学病院 放射線診断科)

【目的】
現状の高磁場MRI装置において、均一なRF磁場を作り出すことは難しい。特に被検体の大きさが被検体内の波長に近づく人用7.0T装置においては、dielectric effectによる反射波の影響や誘電電流の影響により被検体内のB1の不均一が顕著となる。複数のRF送信システムとRFコイルによるRF Shimmingは、各コイルから送信されるRF pulseを独立してコントロールするためにB1不均一を改善する有用な手法である。しかし高いフリップアングルを持ったRF pulseの誘電体内における振る舞いを正確にシミュレーションする事はまだ難しい技術である。そこで人用7.0 Tesla装置において高いフリップアングルを利用するSpin Echo法でRF Shimming機能を追加し、検討をおこなったので報告をする。
【方法】
使用装置は岩手医科大学に設置された人用7.0 Tesla装置 (version7T23V02) と、pTx (parallel transmit) システムである。研究用パルスシーケンスはEPIC (Environment for Pulse programming In C) をもちいて作成された。作成されたパルスシーケンスはGE MRS Phantomを用いて動作確認をおこなった。
【結果】
各チャネルのRF Pulseの振幅と位相はRFSD (RFShim Designer tool) により計算され、パルスシーケンスに転送された。パルスシーケンスはこの設計を初期値として設定に反映し、動作することが確認された。またオペレーターにより各チャネルのRF Pulseの位相と振幅が、パルスシーケンス上で再調整できる事も確認できた。これらによりRF Shimming機能の動作の検証をおこなった。RFSDにより各チャネルのRF Pulseの波形の生成が、そしてシーケンサーによりその出力のコントロールが可能なので、pTxとして動作させることが可能であることも確認できた。本研究パッケージはRF pulseの振る舞いの推測検証手法として有望と考えられた。