[O-2-210] 再構成画像の整合性を利用したパラレルイメージング向けキャリブレーション手法の基礎検討
【目的】本研究の目的は、パラレルイメージング(PI)の再構成アーティファクトである画像のエイリアシングパターンを抑制することである。本稿では、その基礎検討として、コイル感度のキャリブレーションにおいて再構成画像の整合性の活用が有用であるかを評価した結果を示す。
【方法】PIの1手法であるGRAPPAは、キャリブレーションデータを利用してk空間上の補間係数を推定し、k空間上での補間操作により再構成を実行する。この後段の再構成は、次の3ステップによる画像空間での再構成手法と数学的に等価である。(1)k空間上での収集データに対するシフトおよびマスキングによるk空間データ群の生成、(2)k空間データ群の各データに対するフーリエ変換による折り返し画像群の生成、(3)得られた折り返し画像群に対する、補間係数を重みとした画素ごとの加重和合成による再構成画像の生成。この手法において、ステップ(1)・(2)は補間係数を必要としない。そこで本稿では、補間係数を未知としてステップ(1)・(2)を適用することで、各画素値を補間係数の加重和として表現し、次に再構成画像の整合性を利用して各補間係数を推定し、最後にステップ(3)を実行する、新しい再構成手法を提案する。
【結果】13コイル、RO=512、PE=512の2次元脳画像フルサンプリングデータに対し、R=2、ACS=32とした間引きシミュレーションによりテストデータを生成した。テストデータに対し、再構成画像の左右10画素分に画素値が存在しない(空気領域である)という単純な再構成画像の整合性を用いて提案手法の初期評価を行った。補間係数の推定にACSは利用していない。再構成画像のPSNRは、間引き位置をゼロとしたデータでは30.61dB、提案手法では31.87dBであった。また、提案手法による再構成アーティファクトの抑制効果を目視により確認した。
【結論】再構成画像の整合性を用いたPI向けキャリブレーション手法の効果を実験的に確認し、その可能性を示した。ACSを利用したキャリブレーション手法との連携は今後の課題とする。
【方法】PIの1手法であるGRAPPAは、キャリブレーションデータを利用してk空間上の補間係数を推定し、k空間上での補間操作により再構成を実行する。この後段の再構成は、次の3ステップによる画像空間での再構成手法と数学的に等価である。(1)k空間上での収集データに対するシフトおよびマスキングによるk空間データ群の生成、(2)k空間データ群の各データに対するフーリエ変換による折り返し画像群の生成、(3)得られた折り返し画像群に対する、補間係数を重みとした画素ごとの加重和合成による再構成画像の生成。この手法において、ステップ(1)・(2)は補間係数を必要としない。そこで本稿では、補間係数を未知としてステップ(1)・(2)を適用することで、各画素値を補間係数の加重和として表現し、次に再構成画像の整合性を利用して各補間係数を推定し、最後にステップ(3)を実行する、新しい再構成手法を提案する。
【結果】13コイル、RO=512、PE=512の2次元脳画像フルサンプリングデータに対し、R=2、ACS=32とした間引きシミュレーションによりテストデータを生成した。テストデータに対し、再構成画像の左右10画素分に画素値が存在しない(空気領域である)という単純な再構成画像の整合性を用いて提案手法の初期評価を行った。補間係数の推定にACSは利用していない。再構成画像のPSNRは、間引き位置をゼロとしたデータでは30.61dB、提案手法では31.87dBであった。また、提案手法による再構成アーティファクトの抑制効果を目視により確認した。
【結論】再構成画像の整合性を用いたPI向けキャリブレーション手法の効果を実験的に確認し、その可能性を示した。ACSを利用したキャリブレーション手法との連携は今後の課題とする。