[O-2-221] 拡散強調画像を用いた深部静脈血栓の検出
【目的】 深部静脈血栓症 (DVT) の画像診断は,超音波検査,造影computed tomography (CT) 検査が一般的であるが,特に,被ばく線量の増加が懸念されている.Magnetic resonance imaging (MRI) は静脈血栓の診断に応用されているが拡散強調画像 (DWI) を用いたDVTの検出に関する報告はない.DWIでは広範囲な撮像が可能であるため,DVTが疑われた症例において,その診断と血栓の広がりを評価する目的で撮像を行った.
【症例】 飲酒および喫煙歴のない70歳代女性.出血性胃潰瘍の治療目的で当院を受診した.胃生検で悪性腫瘍の否定ができず,胸腹部造影CTおよび肺血流シンチ検査を施行.右肺動脈上葉に塞栓像および集積低下を認めた.下肢超音波検査で右ヒラメ筋静脈にDVTを疑う所見を認めた.血栓の検出やその広がりを検討するために,下肢MRI検査を施行された.MRI検査のDWI (b=1000sec/mm2) およびT1強調画像 (T1W) は,1.5T MRI装置 (Signa HDxt, GE) を用いて撮像し,血栓部の信号強度比を算出し比較検討を行った.
【結果】 DWIおよびT1Wの横断像から作成したmaximum intensity projection (MIP) 画像は,右下腿に高信号を呈する線状・分岐状病変を認めた.横断像の融合画像で2つの高信号病変は共局在した.その病変はT1Wで右後脛骨およびヒラメ筋静脈に高信号を呈しておりDVTと判断した.また,超音波検査でDVTを疑われた部位に一致していた.DWIおよびT1Wから算出した血栓部の信号強度比は,DWIで有意に高くMIP画像で周囲組織とのコトラストが明瞭であった.
【結論】 DWIは血栓が周囲とのコントラストが明瞭に描出されるため,血栓の広がりを俯瞰するのに有用であることが示唆された.またT1Wと共に評価することで解剖学的情報が明確となった.なおT1Wの信号強度から比較的新しい血栓と考えられ,DWIではそれが高信号として描出されることが示唆された.
【症例】 飲酒および喫煙歴のない70歳代女性.出血性胃潰瘍の治療目的で当院を受診した.胃生検で悪性腫瘍の否定ができず,胸腹部造影CTおよび肺血流シンチ検査を施行.右肺動脈上葉に塞栓像および集積低下を認めた.下肢超音波検査で右ヒラメ筋静脈にDVTを疑う所見を認めた.血栓の検出やその広がりを検討するために,下肢MRI検査を施行された.MRI検査のDWI (b=1000sec/mm2) およびT1強調画像 (T1W) は,1.5T MRI装置 (Signa HDxt, GE) を用いて撮像し,血栓部の信号強度比を算出し比較検討を行った.
【結果】 DWIおよびT1Wの横断像から作成したmaximum intensity projection (MIP) 画像は,右下腿に高信号を呈する線状・分岐状病変を認めた.横断像の融合画像で2つの高信号病変は共局在した.その病変はT1Wで右後脛骨およびヒラメ筋静脈に高信号を呈しておりDVTと判断した.また,超音波検査でDVTを疑われた部位に一致していた.DWIおよびT1Wから算出した血栓部の信号強度比は,DWIで有意に高くMIP画像で周囲組織とのコトラストが明瞭であった.
【結論】 DWIは血栓が周囲とのコントラストが明瞭に描出されるため,血栓の広がりを俯瞰するのに有用であることが示唆された.またT1Wと共に評価することで解剖学的情報が明確となった.なおT1Wの信号強度から比較的新しい血栓と考えられ,DWIではそれが高信号として描出されることが示唆された.