[O-2-237] 圧縮センシング差分MRアンジオグラフィーの画質に関する検討
【背景・目的】圧縮センシング(CS)とは、対象データがスパースに分布する空間でL1ノルムを最小化し、少数サンプル点から元画像を再構成する手法である。またMRAには、血管をBrightおよびBlackに描出した画像間で差分をとる差分MRA法がある。今回我々は、CSを用いた差分MRAにおいて差分とCS再構成の順序により画質がどのように変化するかの知見を得る目的で、健常ボランティア画像による再構成実験を行った。
【方法】使用したデータは健常ボランティアによるBright、Black画像に対して実空間上で仮想的にコイル感度の重み付けを行い、フーリエ変換を施すことによって作成した。差分処理をCS再構成処理の前に行った画像(差分CS)と、後に行った画像(CS差分)について血管の描出能の比較検討を行った。また比較画像としてk空間中心部のみを収集し、再構成した画像(中心部収集画像)も作成し、比較した。更に各画像について構造類似度(SSIM)、ピーク信号対雑音比(PSNR)も計測した。なお本検討では、CS再構成ソフトウェアとしてLustigらによって公開されているSPIRiTを使用した。
【結果】中心部収集画像と比較して、CSを用いた場合に細い血管が描出できていることが確認できた。またSSIM、PSNRでもCSを用いた場合に高い値を示した。さらにCSを用いた場合に差分と再構成の順序で比較すると、差分CSに対してCS差分は背景信号が若干高い傾向が見られたが、血管の描出能、SSIM、PSNRについては両者で大きな違いがなかった。
【考察】従来の方法で収集データ量を削減した中心部収集に対し、血管描出能やSSIM、PSNRにおけるCSの優位性が確認できた。また、差分と再構成の順序で比較した場合には大きな違いが確認できなかった。差分処理をCS再構成後に行う場合、時間のかかるCS再構成をBright, Blackそれぞれで行う必要があるのに対し、差分処理をCS再構成前に行う場合、CS再構成が1回で済むため、撮像後の処理時間の短縮が見込める。
【結論】健常ボランティア画像によるCS差分MRAの再構成実験を行った。処理の順序による画質の変化について、仮想的な条件下ではあるが大きな変化はみられなかった。今後はより実際に近い条件下で検討を進めていきたい。
【方法】使用したデータは健常ボランティアによるBright、Black画像に対して実空間上で仮想的にコイル感度の重み付けを行い、フーリエ変換を施すことによって作成した。差分処理をCS再構成処理の前に行った画像(差分CS)と、後に行った画像(CS差分)について血管の描出能の比較検討を行った。また比較画像としてk空間中心部のみを収集し、再構成した画像(中心部収集画像)も作成し、比較した。更に各画像について構造類似度(SSIM)、ピーク信号対雑音比(PSNR)も計測した。なお本検討では、CS再構成ソフトウェアとしてLustigらによって公開されているSPIRiTを使用した。
【結果】中心部収集画像と比較して、CSを用いた場合に細い血管が描出できていることが確認できた。またSSIM、PSNRでもCSを用いた場合に高い値を示した。さらにCSを用いた場合に差分と再構成の順序で比較すると、差分CSに対してCS差分は背景信号が若干高い傾向が見られたが、血管の描出能、SSIM、PSNRについては両者で大きな違いがなかった。
【考察】従来の方法で収集データ量を削減した中心部収集に対し、血管描出能やSSIM、PSNRにおけるCSの優位性が確認できた。また、差分と再構成の順序で比較した場合には大きな違いが確認できなかった。差分処理をCS再構成後に行う場合、時間のかかるCS再構成をBright, Blackそれぞれで行う必要があるのに対し、差分処理をCS再構成前に行う場合、CS再構成が1回で済むため、撮像後の処理時間の短縮が見込める。
【結論】健常ボランティア画像によるCS差分MRAの再構成実験を行った。処理の順序による画質の変化について、仮想的な条件下ではあるが大きな変化はみられなかった。今後はより実際に近い条件下で検討を進めていきたい。