第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

圧縮センシング-応用

圧縮センシング-応用

2014年9月19日(金) 16:30 〜 17:10 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:藤本晃司(京都大学医学部附属病院 放射線診断科)

[O-2-240] Compressed Sensingを適用した2Dシネ撮像におけるアーティファクト抑制方法

黒川眞次, 越智久晃 ((株)日立製作所 中央研究所)

【背景と目的】Compressed Sensing(CS)[1]ではデータ取得省略によるアーティファクトが干渉しないようにデータ取得の軌跡をランダムにするのが重要である。しかし、2D撮像では通常位相エンコード方向にしか軌跡をランダムにできないため、アーティファクトが干渉してしまうという問題がある。そこで、CSを適用した2Dシネ撮像において、データ取得省略によるアーティファクトを抑制する手法を提案する。【方法】提案手法を以下に述べる。あるフレームに対して、そのフレームと直前のフレームからランダムにデータを選択することで軌跡がランダムでアーティファクトが干渉しにくいフレームを合成する。元フレームと合成フレームとの差分をとることでアーティファクトとフレーム差分が強調された差分画像を作成する。さらに、直後のフレームと同様な処理を行い別の差分画像を作成する。二つの差分画像のアンドをとることで、フレーム間の動きは抑えられ、アーティファクトが強調されたアーティファクト画像が得られる。CSの繰り返し再構成においてアーティファクト画像を繰り返し減算することでアーティファクトを抑制する。提案手法の評価はシミュレーションとボランティア撮像で行った。省略なく取得したデータをリファレンスとし、データを間引いてCSのデータを作成した。リファレンスとの比較で画質を評価した。シミュレーションで、リファレンスとの差分の二乗平均平方根からアーティファクトを評価した。ボランティア撮像で、全体的な画質を確認した。【結果と考察】シミュレーションによるアーティファクト評価から、提案手法により差分の二乗平均平方根が約2割小さくなることがわかった。ボランティア撮像から、見た目による画質の劣化なくアーティファクトが抑制されることがわかった。提案手法では、別フレームとの合成を利用しており、時間分解能低下の可能性は生じるが、2種類の合成フレームのアンドをとることで、時間分解能の低下なくアーティファクトの抑制に成功したと考えられる。【参考文献】[1]M. Lustig et al.,MRM 2007;58;1182-1195