[O-2-243] 垂直磁場MRIにおける磁化率強調画像化法の検討
【目的】磁化率強調画像化法は、位相分布や推定磁化率分布を用いて、静脈や鉄沈着組織を強調する手法である[1,2]。これらの手法は、主に水平磁場MRIで用いられており、垂直磁場MRIにおける磁化率強調画像化法については詳細に検討されていない。本研究では、垂直磁場MRIに適した磁化率強調画像化法を探るため、各手法で算出した磁化率強調画像のコントラストについて比較評価し、さらにその成因となる位相分布と推定磁化率分布のコントラストについて比較評価する。
【方法】1.2T垂直磁場MRI(日立メディコ製OASIS)を用いてヒト頭部の横断面を撮像し、位相分布、推定磁化率分布、および各手法で算出した磁化率強調画像のコントラストを評価した。撮像条件は、シーケンス:RSSG-EPI、FOV:220×220×80 mm、Matrix:512×384×40、TR:80ms、TE:40 ms、FA:23°、エコートレイン数:5とした。位相分布を用いた手法には、負の位相領域の信号値を強調して低下させる手法[1]を用いた。推定磁化率分布を用いた手法には、正の磁化率領域の信号値を強調して低下させる手法[2]を用いた。評価対象は、走行方向の異なる静脈とした。
【結果】垂直磁場MRIにおいて、面内を磁場方向に平行に走行する静脈内の位相は負の値となるのに対し、垂直に走行する静脈内の位相は正の値となった。その結果、位相分布を用いた磁化率強調画像では、静脈の描出能に走行方向依存性があり、磁場方向に垂直に走行する一部の静脈は明瞭に描出されなかった。一方、推定磁化率分布において、静脈の磁化率は走行方向に関わらず正の値となった。その結果、推定した磁化率分布を用いた磁化率強調画像では、走行方向に関わらず静脈が描出された。以上より、垂直磁場MRIの横断面における磁化率強調画像化法では、推定磁化率分布を用いた手法が有効であると考えられる。
【文献】[1] Haacke, et al. MRM 2004;52:612 [2] Sato, et. al., ISMRM 2013;2480
【方法】1.2T垂直磁場MRI(日立メディコ製OASIS)を用いてヒト頭部の横断面を撮像し、位相分布、推定磁化率分布、および各手法で算出した磁化率強調画像のコントラストを評価した。撮像条件は、シーケンス:RSSG-EPI、FOV:220×220×80 mm、Matrix:512×384×40、TR:80ms、TE:40 ms、FA:23°、エコートレイン数:5とした。位相分布を用いた手法には、負の位相領域の信号値を強調して低下させる手法[1]を用いた。推定磁化率分布を用いた手法には、正の磁化率領域の信号値を強調して低下させる手法[2]を用いた。評価対象は、走行方向の異なる静脈とした。
【結果】垂直磁場MRIにおいて、面内を磁場方向に平行に走行する静脈内の位相は負の値となるのに対し、垂直に走行する静脈内の位相は正の値となった。その結果、位相分布を用いた磁化率強調画像では、静脈の描出能に走行方向依存性があり、磁場方向に垂直に走行する一部の静脈は明瞭に描出されなかった。一方、推定磁化率分布において、静脈の磁化率は走行方向に関わらず正の値となった。その結果、推定した磁化率分布を用いた磁化率強調画像では、走行方向に関わらず静脈が描出された。以上より、垂直磁場MRIの横断面における磁化率強調画像化法では、推定磁化率分布を用いた手法が有効であると考えられる。
【文献】[1] Haacke, et al. MRM 2004;52:612 [2] Sato, et. al., ISMRM 2013;2480