第42回日本磁気共鳴医学会大会

Presentation information

一般演題

ハードウエア

ハードウエア1

Fri. Sep 19, 2014 1:40 PM - 2:20 PM 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:山本徹(北海道大学大学院保健科学研究院 医用生体理工学分野)

[O-2-259] DIXON法のための小型永久磁石の温度安定性の向上

寺田康彦1, 拝師智之2, 巨瀬勝美1 (1.筑波大学 数理物質系物理工学域, 2.(株)エム・アール・テクノロジー)

【背景】永久磁石は、温度安定性が乏しいため、化学シフトイメージングには応用しづらいという欠点がある。本研究では、従来のヒータ制御ではなく、磁気回路内を循環する恒温水による温度制御を新しく導入し、B0ドリフトを数ppmオーダーまで向上させた。さらにマウスのDIXONイメージングで性能評価を行ったので報告する。
【実験】C型永久磁石(0.3 T、ギャップ幅8 cm、27 cm× 39.2 cm×31 cm、135 kg、8 cm×8 cm×4 cm回転楕円体内の均一度4.8 ppm)を使用した。磁気回路を厚さ5cmのウレタンフォームで断熱し、磁気回路内部とポールピース内部に銅パイプを貫通させ、パイプを通して27.00±0.01℃に保った恒温水を循環させた(図a,b)。さらに、全体を簡易温室で覆い、内部の空気温度を26.0±0.1℃に保った。比較のため、従来法の通り磁気回路に取り付けたヒータのみによる温度制御も行った。2点DIXON-勾配エコー法で麻酔下のマウス(C57BL/6(M), 1歳))を撮像した(TR40ms、TE11.44ms、22.88ms、画素サイズ313 um×313 um×625 um、撮像時間22分)。
【結果】撮像していない状態でのB0ドリフトは、従来の温度制御法では28.5ppm/時だったが、新しい方法では8.2ppm/時と向上した。撮像時もドリフトは低く抑えられた。マウスの撮像結果(図c,d)でも、良好な描出能が確認できた。これらの結果は、高い時間安定性を示している。