第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

ハードウエア-コイル技術

ハードウエア-コイル技術

2014年9月19日(金) 15:00 〜 15:50 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:松田豪(GEヘルスケア・ジャパン株式会社 技術本部研究開発部MR研究室)

[O-2-265] 生体マウス腹臥位撮像のための桶底対向型勾配磁場コイルの開発

拝師智之1, 石澤一憲2, 巨瀬勝美2 (1.株式会社エム・アール・テクノロジー, 2.筑波大学大学院数理物質科学研究科)

<目的>小動物用横型超伝導MRIは大型高価なため利用者への敷居は高い。医学生物学におけるMRIの有用性に広く応えるために、一般化した縦型超伝導磁石を、ソレノイド型rfコイル、およびMRIコンソールを用いてマウス(40g程度迄)を特に腹臥位で撮像するための3次元型勾配磁場Gコイルを開発したので報告する。
<桶底対向型勾配磁場コイル>桶底2個を対向させたGコイル形状に最適な電流線配置をABCアルゴリズムによって求めた。GXおよびGY用コイルは桶底面の電流線群が主たる線形勾配磁場を発生し、壁面を戻る電流線群が負極性成分を発生する。GZ用も桶底型で収束解を得た。実際に底面70mmφ×壁面30mmの巻枠から3軸Gコイルを作成した。GX/GY/GZの勾配磁場効率は各3.8/3.6/1.28 [mT/m/A]、直流抵抗値は各0.34/0.35/0.39 [Ω]であった。
<実験および結果>開発した桶底型Gコイル、縦型超伝導磁石(4.7T/89mm)、MRIコンソール(自社製,S7D,iPlus)、およびrfコイル(7巻,φ35×40mm)を用いて、格子ファントム(φ24×33mm)を3D-SE法、胡瓜(φ30×70mm,40g)を3D-GRE法で撮像した。この結果、中心φ35mm球内では特に均一な勾配磁場が、さらにrfコイル長40mmの外側でもマウス撮像に充分な線形性があることが確認できた。以上よりNMR用縦型磁石による成体マウス腹臥位撮像の可能性を提示した。