[O-3-278] 悪性グリオーマの腫瘍再発と放射線壊死のDSC法による評価:K2とCBVの比較
【目的】悪性グリオーマの手術・放射線化学治療後に出現した増強効果を有する病変について、腫瘍再発と放射線壊死の鑑別にDSC法から得られるleakage (K2)情報が有用かどうか、rCBVと比較する。
【対象と方法】 対象は、悪性グリオーマの治療後に出現した増強効果を有する病変の鑑別のために3T-MRIでdynamic susceptibility contrast image (DSC法)を撮像した9例(腫瘍再発4例、壊死5例)である。組織学的検索(7例)と臨床経過(2例)より診断をえた。DSCはsingle shot GE echo-planar法を用い、Gd造影剤は0.1mmol/kg使用した。撮像前に半量のGdを投与し、その後、半量のGd、引続き30mlの生食を3ml/sを経静脈性に投与し撮像した。市販のソフトウエア(nordicICE)を用い、rCBV map、leakage (K2) mapに加え、rCBV map、K2 mapと造影後T1WIとの融合画像を作成した。融合画像を参考に、増強効果の見られる部位3カ所にROIを置き、K2は測定値、rCBVratioは腫瘍と対側正常実質の比(rCBVratio)を算出し、壊死と再発でその最大値を統計学的に比較した。
【結果】 K2は壊死で0.2-2.4 (1.35±0.82)、再発で1.9-4.8 (3.31±1.60)、rCBVratioは壊死で1.5-4.3 (2.56±1.05)、再発で2.8-6.1 (4.44±1.41)であった。K2、rCBVratioともに再発が壊死より高い傾向があり、K2では壊死と再発に統計学的有意差を認めた。
【結論】 悪性グリオーマの腫瘍再発と放射線壊死ではいずれも増強される領域にK2、rCBVratioの上昇を認め、再発が高い傾向にあるが、K2の方が鑑別に有利な可能性が示唆された。
【対象と方法】 対象は、悪性グリオーマの治療後に出現した増強効果を有する病変の鑑別のために3T-MRIでdynamic susceptibility contrast image (DSC法)を撮像した9例(腫瘍再発4例、壊死5例)である。組織学的検索(7例)と臨床経過(2例)より診断をえた。DSCはsingle shot GE echo-planar法を用い、Gd造影剤は0.1mmol/kg使用した。撮像前に半量のGdを投与し、その後、半量のGd、引続き30mlの生食を3ml/sを経静脈性に投与し撮像した。市販のソフトウエア(nordicICE)を用い、rCBV map、leakage (K2) mapに加え、rCBV map、K2 mapと造影後T1WIとの融合画像を作成した。融合画像を参考に、増強効果の見られる部位3カ所にROIを置き、K2は測定値、rCBVratioは腫瘍と対側正常実質の比(rCBVratio)を算出し、壊死と再発でその最大値を統計学的に比較した。
【結果】 K2は壊死で0.2-2.4 (1.35±0.82)、再発で1.9-4.8 (3.31±1.60)、rCBVratioは壊死で1.5-4.3 (2.56±1.05)、再発で2.8-6.1 (4.44±1.41)であった。K2、rCBVratioともに再発が壊死より高い傾向があり、K2では壊死と再発に統計学的有意差を認めた。
【結論】 悪性グリオーマの腫瘍再発と放射線壊死ではいずれも増強される領域にK2、rCBVratioの上昇を認め、再発が高い傾向にあるが、K2の方が鑑別に有利な可能性が示唆された。