[O-3-291] シミュレーションを用いた拡散強調画像における信号減衰でのbiexponentialモデルの検討
【目的】拡散強調画像(DWI)における信号変化から組織構造を推定するために,biexponentialモデルが用いられている.しかしながら,biexponentialモデルのパラメータと生体の組織構造に関する情報が一致しないとの報告がある.そこで,本研究ではシミュレーションにより,組織モデルから得たDWI信号とbiexponentialモデルから作成した信号曲線を比較検討した.
【方法】本研究では複数の組織モデルを含むボクセル内でモンテカルロ法による水分子の拡散シミュレーションを行った.本シミュレータから得られるDWI信号は,自由拡散でのシミュレーションでは理論値との誤差は1%未満である.対象としたボクセルはみかけの拡散係数(ADC)がそれぞれ0.114×10-3[mm2/s], 1.04×10-3[mm2/s]となる2つの組織モデルを含む.ADCが0.114×10-3[mm2/s]となる組織モデルがボクセルを占める割合である体積比fを4種類,f :1-f= 0.2:0.8,0.3:0.7,0.4:0.6,0.5:0.5,と変化させ,それぞれの体積比でのDWI信号をb値が0から2000まで200間隔でシミュレートした.2つの組織モデルのADC,体積比fをbiexponentialモデルに代入し,信号曲線を作成した.
【結果】図に示すように,全ての体積比においてシミュレートしたDWI信号とbiexponentialモデルでの信号曲線は一致しなかった.
【結論】本実験結果から,biexponentialモデルから推定されるパラメータは組織構造のパラメータと一致しないことが示唆された.
【方法】本研究では複数の組織モデルを含むボクセル内でモンテカルロ法による水分子の拡散シミュレーションを行った.本シミュレータから得られるDWI信号は,自由拡散でのシミュレーションでは理論値との誤差は1%未満である.対象としたボクセルはみかけの拡散係数(ADC)がそれぞれ0.114×10-3[mm2/s], 1.04×10-3[mm2/s]となる2つの組織モデルを含む.ADCが0.114×10-3[mm2/s]となる組織モデルがボクセルを占める割合である体積比fを4種類,f :1-f= 0.2:0.8,0.3:0.7,0.4:0.6,0.5:0.5,と変化させ,それぞれの体積比でのDWI信号をb値が0から2000まで200間隔でシミュレートした.2つの組織モデルのADC,体積比fをbiexponentialモデルに代入し,信号曲線を作成した.
【結果】図に示すように,全ての体積比においてシミュレートしたDWI信号とbiexponentialモデルでの信号曲線は一致しなかった.
【結論】本実験結果から,biexponentialモデルから推定されるパラメータは組織構造のパラメータと一致しないことが示唆された.