[O-3-301] 大腸癌摘出標本のMRI画像と病理学的進達度の対比
【目的】
大腸癌の手術摘出標本のMRI所見と病理所見を対比し、深達度評価に有用なMRI所見を検討すること。
【方法】
大腸癌のため手術が行われた22症例、24病変(男性7例、女性15例、平均年齢69.7歳)に対して前向き検討を行った。病変の部位は上行結腸3例、横行結腸4例、下行結腸1例、S状結腸8例、直腸6例である。GE社HDx SIGNA 1.5T、5GP Surface coilを用い、摘出直後と、ホルマリン固定後12-24時間後にT1WI、T2WI(2方向)、DWIの撮像を行った。腫瘍と層構造の関係、腫瘍と壁外脂肪層との境界(平坦・凹型・凸型)、壁外脂肪層のspiculationの有無に関して評価を行い、病理学的深達度と対比した。
【結果】
大腸壁はT2WIで3層構造を示し、第1層は粘膜、第2層は粘膜下層、第3層は固有筋層に対応すると考えられた。腫瘍の最深部の位置は、第2層が4例(T1:3例、T2:1例)、第3層が1例(T2:1例)、壁外脂肪層が19例(T3:17例、T4:2例)であった。壁外脂肪層との境界は、平坦が4例(T1:3例、T2:1例)、凹型が9例(T2:1例T3:8例)、凸型が11例(T3:8例、T4:3例)であった。SpiculationはT3以深の全症例でみられたが、T1およびT2の症例ではみられなかった。
【結論】
腫瘍と大腸壁層構造の位置関係はMRIの深達度診断に有用な所見であると考えられた。壁外脂肪層との境界形態は平坦、凹型、凸型の順で深達度が深くなった。また壁外脂肪層のspiculationはT3以深を示す所見と考えられた。
大腸癌の手術摘出標本のMRI所見と病理所見を対比し、深達度評価に有用なMRI所見を検討すること。
【方法】
大腸癌のため手術が行われた22症例、24病変(男性7例、女性15例、平均年齢69.7歳)に対して前向き検討を行った。病変の部位は上行結腸3例、横行結腸4例、下行結腸1例、S状結腸8例、直腸6例である。GE社HDx SIGNA 1.5T、5GP Surface coilを用い、摘出直後と、ホルマリン固定後12-24時間後にT1WI、T2WI(2方向)、DWIの撮像を行った。腫瘍と層構造の関係、腫瘍と壁外脂肪層との境界(平坦・凹型・凸型)、壁外脂肪層のspiculationの有無に関して評価を行い、病理学的深達度と対比した。
【結果】
大腸壁はT2WIで3層構造を示し、第1層は粘膜、第2層は粘膜下層、第3層は固有筋層に対応すると考えられた。腫瘍の最深部の位置は、第2層が4例(T1:3例、T2:1例)、第3層が1例(T2:1例)、壁外脂肪層が19例(T3:17例、T4:2例)であった。壁外脂肪層との境界は、平坦が4例(T1:3例、T2:1例)、凹型が9例(T2:1例T3:8例)、凸型が11例(T3:8例、T4:3例)であった。SpiculationはT3以深の全症例でみられたが、T1およびT2の症例ではみられなかった。
【結論】
腫瘍と大腸壁層構造の位置関係はMRIの深達度診断に有用な所見であると考えられた。壁外脂肪層との境界形態は平坦、凹型、凸型の順で深達度が深くなった。また壁外脂肪層のspiculationはT3以深を示す所見と考えられた。