第42回日本磁気共鳴医学会大会

Presentation information

一般演題

画像計算

画像計算

Sat. Sep 20, 2014 9:40 AM - 10:30 AM 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:尾藤良孝(株式会社日立メディコ MRIシステム本部)

[O-3-303] 改良IR法解析法による高速高精度T1値測定の可能性

高橋紗綾1, 唐明輝1, 山本徹2 (1.北海道大学大学院保健科学院 保健科学専攻, 2.北海道大学大学院保健科学研究院 医用生体理工学分野)

【目的】さまざまな疾患のマーカーとなるT1値をマッピングする方法としてIR法があるが、撮像に長い時間を要するうえに、その間の患者の動きなどが測定精度に影響する。また、Look-Locker法は高速であるが測定誤差が20%以上であるとの報告もあり高精度ではない。そこで本研究では高速高精度にT1値を求めることを目的に、IR法の解析方法の改良を行った。【方法】3種類の濃度(1.398、0.182、0.028 g/L)の硫酸銅水溶液ファントムを対象とし、3T MRIにてヘッドコイルを使用しIR法(TR = 8000 ms、TE = 12 ms)にて8点のTI(50、100、200、500、1000、2000、3000、4000 ms)を用いて撮像した。得られた画像信号の単一指数関数的変化からT1値を求める際、TIが0 msとTR に等しい値のときの仮想的信号の絶対値が等しくなる解析条件下で、TIを仮想的に無限大としたときの信号飽和値をフィッティングパラメータとしてT1値を求めた。また、解析に用いるデータポイント数(TIポイント数)を変えて得られたT1値の精度を調べた。【結果と考察】8点全てのデータポイントを用いて得られたT1値は、それぞれのファントムで、260 ms、1290 ms、2490 msであった。また、解析に用いるデータポイント数が3点(TI = 50、100、200 ms)以上であればT1測定誤差は2%以下であった。この結果より、信号飽和値までの撮像を必要とせず、少ないデータポイント数、すなわち、少ない撮像時間で高精度にT1値が求められる。【結論】IR法の解析方法を工夫することで高速かつ高精度にT1値測定が行える可能性がある。