[P-1-001] 限局性腎細胞癌における拡散強調像の意義:ADCは術後の再発予測因子となり得るか
【目的】限局性腎細胞癌のADCが術後の再発予測因子となり得るか明らかにすること【方法】術前に拡散強調像を含むMRIが施行された限局性腎細胞癌49例が対象である。術後の経過観察中に15例に再発が認められた。拡散強調像は1.5T MRI装置にて撮像され、0, 500および1,000のb factorを用いてADC mapが作成された。腫瘍のADCは壊死や出血を避けながらmap上に関心領域を置いて計測された。平均ADCは3スライスから得られたADCの平均、最小ADCはその中で最も値の低いものとした。再発に影響を与える可能性がある臨床病理学的因子(年齢、性別、腫瘍部位、サイズ、増大浸潤様式、Fuhrman分類、組織型、静脈侵襲、平均ADC、最小ADC)と無病生存との関連をCox比例ハザードモデルにて解析した。【結果】単変量解析では、サイズ、静脈侵襲、平均ADC、最小ADCが無病生存と有意な相関があった。多変量解析では、静脈侵襲と最小ADCのみが有意な因子であった。【結論】限局性腎細胞癌において、最小ADCは術後の再発を予測する独立した因子と考えられる。