[P-1-045] 3T MRIを用いた前腕回旋肢位の違いによるTFCCの変化
【背景・目的】
手関節の疼痛の原因の一つに遠位橈尺関節 の不安定症があり,三角線維軟骨複合体(TFCC)を形成する掌・背側橈尺靭帯, 三角靭帯などの損傷が原因とされている.その画像診断法としてMRIが多く用いられているが, 撮像肢位について統一された見解はない.また前腕回旋肢位とTFCCの関係について,未固定解剖標本による報告はあるが, 生体での報告は少ない.本研究の目的は,3T MRIを用いて,前腕回旋肢位の違いによるTFCCの描出について検討することである.
【対象・方法】
対象は,本研究の主旨を説明し同意が得られた健常ボランティア5名である.使用装置はPHILIPS Ingenia 3.0T,コイルはdS Wrist 8ch Coilを用いた. 仰臥位, 解剖学的正位にて中間位, 回内位, 回外位と変化させ, それぞれ3D T2*(TR: 20ms, TE: 11.5ms, FA: 10°, voxel: 0.31×0.29×0.6mm)を冠状断にて撮像した.MPRによる冠状断および軸位断にて,近位三角靭帯,関節円板,舟状月状靭帯,月状三角靭帯,掌側・背側橈尺靭帯の描出について,放射線科専門医(1名)および手外科専門医(1名)が4段階(Excellent: 4 - Bad:1)にて評価した.
【結果・結論】
回旋肢位による各組織の平均点は,回内位にて最も高値(2.37)であり,回外位で最も低値(2.27)を示した.背側橈尺靭帯は,どの肢位においても評価が高値(2.9)を示したが,舟状月状靭帯・月状三角靭帯は低い傾向であった.本検討より,TFCCを良好に描出できる前腕回旋肢位は,回内位であることが示唆された.
手関節の疼痛の原因の一つに遠位橈尺関節 の不安定症があり,三角線維軟骨複合体(TFCC)を形成する掌・背側橈尺靭帯, 三角靭帯などの損傷が原因とされている.その画像診断法としてMRIが多く用いられているが, 撮像肢位について統一された見解はない.また前腕回旋肢位とTFCCの関係について,未固定解剖標本による報告はあるが, 生体での報告は少ない.本研究の目的は,3T MRIを用いて,前腕回旋肢位の違いによるTFCCの描出について検討することである.
【対象・方法】
対象は,本研究の主旨を説明し同意が得られた健常ボランティア5名である.使用装置はPHILIPS Ingenia 3.0T,コイルはdS Wrist 8ch Coilを用いた. 仰臥位, 解剖学的正位にて中間位, 回内位, 回外位と変化させ, それぞれ3D T2*(TR: 20ms, TE: 11.5ms, FA: 10°, voxel: 0.31×0.29×0.6mm)を冠状断にて撮像した.MPRによる冠状断および軸位断にて,近位三角靭帯,関節円板,舟状月状靭帯,月状三角靭帯,掌側・背側橈尺靭帯の描出について,放射線科専門医(1名)および手外科専門医(1名)が4段階(Excellent: 4 - Bad:1)にて評価した.
【結果・結論】
回旋肢位による各組織の平均点は,回内位にて最も高値(2.37)であり,回外位で最も低値(2.27)を示した.背側橈尺靭帯は,どの肢位においても評価が高値(2.9)を示したが,舟状月状靭帯・月状三角靭帯は低い傾向であった.本検討より,TFCCを良好に描出できる前腕回旋肢位は,回内位であることが示唆された.